【英語で名セリフ】奴隷には運がなかった。それだけのことなんじゃ。【ヴィンランド・サガ】

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They say inferior people can’t help but become slaves.
But I don’t think so.
Slaves were just unlucky. That’s all.

奴隷とは劣っている者がなるべくしてなるもの、と人は言う。
だが、わしはそうは思わん。
奴隷には運がなかった。それだけのことなんじゃ。

【文法解説】

They say ~.
ここでいうtheyは特定の誰かではなく、一般論としてのtheyです。日本語でいえば世間一般の人達になります。

inferior: 劣った、下位の、下等の、
can’t help but ~: ~せざるを得ない
slave: 奴隷

自らも奴隷を所有できる立場にある大地主スヴェルケルの言葉。

酷い扱いを受け続けた結果、地主一家を惨殺し逃亡奴隷となったガルザル。奴隷になる前は、家族を愛する善良な人物でした。その妻アルネイズは、男たちが不在の時に村を襲われ、奴隷にされてしまいました。ケティル農場の奴隷エイナルも同じような境遇で、やはり村を襲われ家族を殺され、生き延びたものの奴隷として捕縛されてしまいます。父の仇という目標を失ったトルフィンは生きる意味を失い、奴隷へとその身を堕とします。

このなかの誰1人、人間として劣っていたわけではありません。

スヴェルケルのこの言葉は、ガルザルとアルネイズを思いやって出たものでした。しかし自分の手下をガルザルに殺された蛇は納得できません。ならず者だった蛇の手下達の命がまるで逃亡奴隷の命より軽いみたいに扱われているようで、とうてい受け入れることなどできないのです。

結局は不遇のうちに息を引き取るガルザルとアルネイズ。ケティル農場の奴隷だったアルネイズは、もしガルザルが迎えにこなければ死ぬことはなかったでしょう。そのガルザルも引き取られた先がケティル農場だったら、もっと大切に扱われて罪を犯すこともなかったでしょう。そして蛇の手下達も殺されることはなかったでしょう。

この作品自体のテーマにも通じるものがある、生とは何かを考えさせられるエピソードでした。

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