1914年クリスマス休戦とは?セカオワの「Dragon Night」のモチーフとなった戦場の奇跡

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時は第一次世界大戦。ドイツ軍とイギリス軍が向かい合う戦線で起きた出来事です。

戦場でのクリスマスの朝、1人のドイツ兵が白旗を持って塹壕から出てきます。様子を見るイギリス軍。ドイツ兵は「イギリスさん達、メリークリスマス!」と大声を上げると、イギリス軍の塹壕から誰かが「そっちもメリークリスマス!ドイツ野郎!」と叫びます。ドイツ軍の塹壕から1人、また1人とドイツ兵が姿を現します。それに応えるようにイギリス軍の塹壕からも兵たちが出てきます。やがて戦線の中央で対峙する両軍。互いに手を差し出します。その手に武器はなく、代わりに暖かい握手をかわしました

それぞれ支給品の酒やソーセージなどを持ち寄り、両軍は語り合い、笑い合いました。誰かがサッカーボールを持ち出してきて、ドイツ対イギリスのサッカー試合が始まりました。この場には兵士はいません。戦場の真ん中で、ただ平和を願う善良な人々がクリスマスを祝っているだけでした。

やがて宴が終わると、両軍はそれぞれの塹壕へと帰ると、兵士へと戻りました…。

戦争をやめた人たち -1914年のクリスマス休戦-
朝日新聞「天声人語」(2022年12月25日)、東京新聞(2022年12月24日)、テレビ東京「60秒で学べるNews」(2022年12月21日)等、各メディアで取り上げられ話題! 戦争で本当にあった奇跡のような実話。 1914年、第一次世界大戦が始まった。ドイツ、オーストリアなどの同盟国軍とイギリス、日本などの連合国...

SEKAI NO OWARI の「Dragon Night」のモチーフとしても有名な、1914年のクリスマス休戦の話です。当事国でもある欧州では有名な話ですが、軍の公式記録には存在しません。現場の兵士たちが自発的に起こした休戦だからです。この話が知れ渡ったのは、この奇跡を体験した多くの兵士が家族や恋人に手紙を送り、喜びを共有したからです。やがてたくさんのエピソードが絡まり合い、絵本や小説、映画にもなり、伝説のように語り継がれるようになったのです。

イギリスの作家マイケル・モーパーゴ著の絵本「世界で一番の贈りもの」では、イギリス兵の体験としてクリスマス休戦のエピソードが描かれています。作中に登場するイギリス兵ジムは教師、ドイツ将校は楽団のチェロ弾きです。血も涙もない兵士などは存在せず、誰もが家族や恋人を愛し、平和を愛する善良な人々です。チェロ弾きのドイツ軍将校は言います。「サッカーで勝負を決めたらいいのに。だれも死なずにすむ。親を失う子もいない。夫を失う妻もいない。」

「Dragon Night」の世界のように、それぞれに「正義」があり争いが起きるのは仕方がないことかもしれません。しかし解決法が殺し合いとはあまりにも救いがなさ過ぎます。兵器も戦争もない、平和な世界が訪れることを願ってやみません。



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