受験英語は役に立つ?役に立たない?⇒ 役に立ちます!【大人のやり直し英語学習】

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KIRIHARA Online Academy公式サイトより

「受験英語は役に立たない」は本当?

「受験英語は文法や単語の知識ばかりで実践では役に立たない。」

日本の英語教育はそんなふうに昔から批判されてきました。話せるようにならない、という意味ではその通りです。「こんな単語、使う場面あるの?」と思うこともあります。

しかし、だから受験英語が役に立たないわけではありません。結論からいえば、受験英語は実践でも強い武器になります。受験英語が役に立たないと感じるのは、身につけた知識を使ってみる経験がないからです。問題は、インプット学習の時間に対して、アウトプット学習に費やす時間が圧倒的に少ないことです。また、英語を使いこなすための授業ではなくテストで点をとるための授業になっていることも大きな要因です。今でこそ学校現場ではALTの導入など、コミュニケーションの要素も取り入れられて少し変わってきていますが、試験という制度がある限りは根本的に変わることはありません。

英語学習を野球の練習に例えると、受験英語で勉強する文法や単語は素振り・キャッチボール、筋トレなどの基礎練習です。受験英語はまさに基礎練習中心のカリキュラムになっています。良い選手になるには基礎練習は不可欠だけど練習試合も経験しないと実践感覚が養われない。逆に練習試合ばかりで基礎練習をおろそかにしてもすぐに限界がきます。やっていることは間違っていないが練習メニューが偏っているから成果が出にくいのです。

しかし日本の英語教育制度を批判したところで何も進みません。身につけた受験英語をいかに上手くアウトプットしていくかが次のステップです。



受験英語は英会話力の土台作り

受験英語が批判される大きな要因は「話せるようにならない」です。一般的に「あの人は英語ができるよね」と言われる時は「英語が話せる」というイメージです。近年では4技能のバランスの重要性が語られていますが、やはり世間の目は「外国人とスマートに英語で会話できる人=英語ができる人」と捉えがちです。

では受験英語は英会話スキルアップの役には立たないのか?といえば答えはNOです。受験英語を勉強した結果、目に見えて成果が出るのは4技能でいえばリーディング、リスニングです。受験英語は基本的にインプット学習なので当然です。それゆえにアウトプットのライティング、スピーキングはわかりやすく成果として見えるものではないため、上達していないと誤解される部分があります。

実際は英語基礎力が上がっているのでアウトプットの土台は作られており、間違いなく会話力の種となっています。あとはアウトプット練習が足りないだけです。



受験英語が役に立った経験

筆者のアメリカ留学時代、受験英語が大いに役立ったエピソードをお話しします。大学の授業でクラスメイトとペアを組んで論文を書き上げる課題がありました。パートナーはモハメドというアラブ人留学生。よくしゃべる明るい性格で、アメリカ人ともすぐに仲良くなっていました。私は英語力には自信があったもののコミュ力不足でなかなか上手く話せず、彼をうらやましく思ったものです。そんな彼とのペアワーク、書き上げるパートの役割分担を決めて、1週間後にお互い書いたものを見せあう約束をしました。

そして打ち合わせの日、彼の書いた論文を読んで愕然としました。スペルミスは当たり前、文章の構成は文法以前の問題でした。「おいおいなんで動詞が3つもあるんだよ、関係代名詞でつないでる・・・わけでもないな。そもそも主語はどこだよ・・・」、そんな感じで解読不能。さすがにそこまでハッキリとは言えず、モハメドには「え?これってどういうこと?どれが主語?ちょっとわかりにくいんだけど」と聞いても、「いや、俺の英語は正しい」の一点張り。なんだその根拠のない自信は・・・こんなん提出できねーよ・・・と途方にくれました。そういえば普段から彼の話す英語は文法がメチャクチャです。それでもジェスチャー交じりでその場の雰囲気でアメリカ人にも通じていたようですが、いざ文章におこしてみるとさっぱりわかりません。

話し合いの結果、モハメドが主に情報収集と下書きの組立て、私が最後に全体の校正をするという役割分担で落ち着きました。会話力を除く英語基礎力は彼よりも私の方がずっと高いということは素直に認めてくれました。無事に論文を書き上げて提出できましたが、まさか受験英語で得た知識のありがたみをこんな所で実感するとは夢にも思いませんでした。

受験英語が苦手だった大人の勉強法

なかには「いや英語が苦手だったからそもそも受験英語なんて身についていないし」という人もいるでしょう。しかし社会人となった今、また同じ勉強を繰り返す必要はありません。テストで良い点を取ることが目的ではないからです。むしろアウトプット中心の英語学習にシフトしましょう。

そのためには、とにかく英語を話してみること。間違ってもよいので、ジェスチャーやノリと雰囲気で押し切ってもよいので、とにかく実践で話してみる。「自分の英語が通じた!」という小さな成功体験が重要です。そうすると英語が楽しくなるし、「あの時はこう言えばよかったかも」と、復習のために文法や単語の勉強も苦ではなくなってきます。最初は話せないかもしれません。しかし慣れてくると段々と昔の知識を思い出して経験を重ねるごとにインプットしたものを使いこなせるようになっていきます。それを実感できたらしめたもの、英語学習が楽しくなります。

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