TOEICと英検、どっちを受ける?それぞれの特徴と違いを比較【社会人の英語学習】

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【画像】TOEICと英検どっちが良い?

日本で知名度の高い英語資格試験といえばTOEICと英検です。学校や就職先でも英語力の証明として求められるのも主にこの2つです。実際に受験を考える時、どっちがよいのでしょう?ここでは、TOEICと英検、それぞれの特徴と違いを解説していきます。

■TOEICとは?

TOEICとは「Test of English for International Communication」(国際コミュニケーション英語能力テスト)の略で、運営元はETS(Educational Testing Service)というアメリカの民間非営利団体です。ちなみに、留学のための試験、TOEFLも同団体が運営しています。

TOEICプログラム公式サイト
https://www.iibc-global.org/toeic.html

あまり知られていませんが、TOEICの起源は日本です。誕生は1979年、1人の日本人が TOEFLを参考に国際ビジネスで通用する試験の開発をETSに依頼したことから始まりました。

TOEICの特徴

テスト形式はリスニング100問、リーディング100問の計200問からなる4択マークシートです。問題の英文はビジネス上での会話や会議・ビジネスメール、また店舗の情報やクーポンなど、海外でのビジネスや生活に密着した内容です。問題の難易度は高く、基礎英語力は身につけている前提のような問題です。問題数に対して試験時間も短く、英語力が問われるというよりも英語に英語で反応できる反射神経が問われる試験です。

試験頻度と受験料

頻度: 年10回
受験料: ¥7,810 (税込)

※上記は2022年7月時点での料金です。年々値上げの傾向にあるようなので、詳しくは公式サイトを確認してください。

TOEICのメリット

TOEICの強みはやはり世界的な知名度です。国内のみならず外資系や海外でも英語力の判定基準としている企業が多いほど、世界で通用する英語資格です。また、毎月のように試験があるので、1年を通していつでも受験できます。

TOEICのデメリット

スコアの効力は2年で切れます。英語を使わずにいると能力は下がっていくため、TOEICのスコアは一生の英語力を保証するものではない、という考え方です。もちろんその時にスコアを取った現実は消えませんので、正確には2年を過ぎるとスコア成績表の再発行ができなくなる、ということです。

英検とは?

英検の正式名称は実用英語技能検定ですが、一般的には英検と認知されています。運営元は公益財団法人日本英語検定協会、設立は1963年です。

日本英語検定協会公式サイト
https://www.eiken.or.jp/

公式サイトから、各級の直近の過去問を無料でダウンロードできます。

英検の特徴

5級から準2級、準1級を含む1級まで7つの等級があり、受験者の英語レベルに応じた級を受験できます。英検は学生が受験するものというイメージが強いですが、社会人受験者も多いです。 テスト形式はリスニング、短文と長文穴埋め問題の4択形式のほか、3級以降はライティング問題と2次試験(面接)もあります。長文問題のトピックはアカデミックな内容になっており、3級から上の級になると幅広い知識が要求されます。また、1級になるとネイティブも知らない単語が出てくると言われる世界です。

試験頻度と受験料

頻度:1月、6月、10月の年3回
受験料:1級: ¥11,800、準1級: ¥9,800、2級: ¥8,400、準2級: ¥7,900、3級: ¥6,400、4級: ¥4,500、5級: ¥3,900 全て税込

※上記は2022年度の料金です。年度によって金額が変動するので、詳しくは日本英語検定協会の受験案内のページで確認してください。

英検のメリット

テストの等級が7段階あるため、全くの英語初心者でもレベルに合わせて受験できます。また、3級合格したから次は準2級、準2級合格したから次は…とステップアップがわかりやすく挑戦できます。また、資格の有効期限は永久です。極端な話、30年前の合格でも履歴書に書けます(30年後でも英語力を維持できているかは別問題ですが)。

英検のデメリット

日本の団体による運営で、権威が日本国内でしか通用しません。留学や外国での就職時には、英語力の証明としては認知されないのです。また、3級からは2次試験があり、1次試験合格後の別日程となるため、最終的に合格するまで1日の試験では終わりません。

結局どっちが良い?

自身の英語力を証明するため、または英語学習のために受験するならどちらが良いかといえば、こればかりは人によって英語に何を求めるか?によって違うので一概には言えません。しかし両テストの特徴を考えるとざっくり言えば、「ある程度の英語力に自信がある」「外資系や海外で働きたい」人はTOEIC、「じっくり英語基礎力を固めたい」「教師、塾など教育業界で働きたい」人は英検がよいでしょう。

ある程度の英語力があるならTOEIC

前述のとおり、TOEICの問題は英語初級者にはきついレベルです。一般的にはTOEICの問題は英検準1級と同等の難易度と言われています。目安として英検2級合格レベルの英語力がないと、TOEICは難しいかもしれません。

逆に言えば、それだけの英語力を身につけているならば、挑戦しがいのあるテストです。制限時間がタイトなので、いちいち頭の中で日本語に変換している余裕はありません。英語を英語のまま捉えてすぐに答えを出す、英語の反射神経が問われます。そういった意味では、TOEICのハイスコア保持者はかなりの英語力の持ち主である証明になります。

また、ほぼ毎月実施されている性質上、テスト問題の傾向が毎回似ているのもTOEICの特徴です。そのため、過去問題をやりこむ勉強法がかなり有効なため、時間がない社会人にとっては英検よりも勉強がやりやすいです。そういった意味では、英検よりも社会人向けのテストです。

一方、「過去問題でテクニックがわかればハイスコアを狙える」こともあり、ハイスコアを持っていても英語が話せるとは限らない、だからTOEICは当てにならないという批判もあります。しかしこれは仕方がない面もあります。そもそもTOEICはスピーキング問題はありません。基礎となる英語力を問うテストであり、英会話力を問うテストではないのです。また、テクニックだけで点を取る勉強法は運営側も問題視して対策しており、以前ほどテクニックが通用しなくなっています

じっくり英語基礎力をつけたいなら英検

受験者の英語力を選ぶTOEICに対し、英検は超初心者からでも挑戦できるのが嬉しいテストです。例えば、「中1の時から英語が超苦手で、ずっと赤点ばかりだった」という社会人でも、いざ英語をやり直したいと思ったら5級~3級を目指すところから始められます。

また、英検で必要とされる文法力は受験英語と親和性が高く、これが学校で受験を推奨される理由になっています。そのため必然的に英検受験者は学生が多くなりますが、社会人が受験しても何ら問題ありません。

長文問題のトピックは、生物や環境問題、心理学などアカデミックな内容が幅広く出題されるため、TOEICほど過去問勉強法が有効ではありません。ビジネス寄りのTOEICに対して、英検はアカデミック寄りです。

究極的には両方受験したい

以上、TOEICと英検の違いと特徴でしたが、いかがでしたか?TOEICはビジネス寄り英検はアカデミック寄りという特徴がありますが、どちらも重要な要素です。今の自分にはまず何が必要かを考えると、どちらか一択になりますが、最終的には両方を受験したいところです。

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