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“To maintain the status quo, they will bury even possibility. That’s what humans do.”
現状を維持するためなら、可能性さえ葬る。それが人間だ。
【文法解説】
maintain: 保つ、持続する
status quo＜ラテン語＞: 現状維持、そのままの状態
もとはラテン語ですが、英語の文脈でも自然と使われます。
bury: 葬る、埋める、埋葬する
ネェル・アーガマの艦内放送での、フル・フロンタルの演説のなかの言葉。
人間は現状維持を好みます。人間というよりも生物の本能みたいなものかもしれません。現状を維持できているということは、今が生存できる状態であること。そして、生物の究極の目的は生き残ること。生物にとって変化とは今のように生き残ることができない可能性があることを意味します。
人はそんな漠然とした不安から本能的に現状維持を好むのでしょう。しかし現状維持を選択するということは、適応能力と成長を放棄することでもあります。現状維持に固執した社会はやがて組織の腐敗を招き、結局は崩壊の道をたどります。
フル・フロンタルが主張する「サイド共栄圏」は、宇宙の民を支配してきた地球連邦にとって受け入れがたい大きな変化です。もしくはスペースノイドと仲良く共存するという選択肢も受け入れないでしょう。
歴史は繰り返すものです。近い将来、実際に我々人類がこの先宇宙へと進出したとしても、結局はこのガンダムの世界のように戦争を繰り返すのかもしれません。しかし我々にはそんな未来を避ける力があると信じたいものです。私達の中に眠る、可能性という名の神を信じて。
