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日本語で「もし~なら」という言い回しをされたら、それは「仮定の話」ですね。
「もし」は英語で if ですが、if を使った文章でも「仮定法」とは限りません。英文法としての仮定は、可能性が低い、あり得ない仮定の話を「仮定法」と呼びます。例えば「もし明日晴れたら~」のように、実際に起こり得る場合は仮定法とは言いません。
ここでは、そんな仮定法を解説します。
起こり得る”if”は仮定法ではない
まずは以下の文を見てください。ちなみにこの文は仮定法ではありません。
If you get over 700 points in TOEIC, I will treat you to a meal.
もしTOEICで700点以上取ったらメシ奢るよ。
一生懸命がんばって勉強すればTOEIC700点は決して不可能ではありません。このように充分起こり得ることの if を使った仮定の話は、文法用語で「直接法」と言います。冒頭でも触れた「もし明日晴れたら~」のような場合も直接法です。
If it is sunny tomorrow, I’m going to dance the flamenco in the middle of the street.
もし明日晴れたら、道の真ん中でフラメンコを踊るよ。
だいぶ頭がアレですが「明日晴れる」は充分に起こり得る事なので現在形を使った直接法で表現します。
直接法の名言・名セリフ
If you can dream it, you can do it.
夢を見ることができるなら、それは実現できる。
ディズニーシリーズの創始者、ウォルト・ディズニーの有名な名言です。
If Sannou is the best team in Japan…, I will just beat you up.
山王が日本一のチームなら…蹴ちらすまでだ。
不朽の名作マンガ「スラムダンク」の流川楓のセリフ。山王工業に対しての代名詞を考えると後半の文はI will just beat them up.とすべきですが、このシーンでは流川が山王のメンバーである沢北に対して言ったので you としました。
仮定法の文
前述のように、仮定法とは可能性がとても低い、現実にはあり得ない仮定の話を指します。仮定法では、動詞が過去形になります。
If I were you, I wouldn’t do such a stupid thing.
もし自分があなただったら、そんな馬鹿なことはしなかったよ。
自分は他の誰かになる事は現実には絶対にあり得ません。これが直接法との違いです。ちなみに通常は1人称(わたし)のbe動詞の過去形は was ですが、仮定法の場合だと主語が何であれ were になります。ここは「なんで were?」と考えず、そういうもんだと割り切って暗記しましょう。
次は一般動詞を使った仮定法です。
If I lost 5 more kilograms, I could wear this shirt.
あと5キロ痩せてたらこのシャツ着れるのに。
現時点では着れないので実現不可能 ⇒ ということは仮定法です。メチャクチャ頑張って本気で5キロ痩せる気があるなら以下のように直接法で表現しましょう。
If I lose 5 more kilograms, I can wear this shirt.
あと5キロ痩せたらこのシャツ着れる。
よく子どもや若者が「もし1億円あったら、おまえどうする?」みたいな話しますよね。これも仮定法です。
If you had one hundred million yen, what would you do?
もし1億円あったら、おまえどうする?
ifを使わない仮定法
仮定法だからといって必ずifを使うとは限りません。
I wish I were a bird.
自分が鳥だったらいいのに。
この文も were に注目してください。実際には鳥になれるわけがないので過去形で表現しています。
This new car could run much faster.
この新しい車はもっと速く走れるはずなのに。
「本当は~できたはず」を could で表現しています。
なぜ過去形を使うの?過去形の力
ここまで、直接法は現在形、仮定法は過去形、というルールを解説しました。なぜ過去形なのか?というと、英語では過去形は距離感を表すからです。仮定法から話がそれますが、学校で以下の表現を習ったのを覚えていますか?
Can you open the window?
Could you open the window?
「窓を開けて」とお願いするフレーズですが、過去形の could を使うと丁寧になると習いましたね。これは、今現在から離れた所にある過去から話しかけることで距離感を表現しています。そのため、過去形を使うことで敬語のニュアンスを表現できるのです。
仮定法も同じ理屈で、今現在では起こり得ない架空の話を表現するため、過去形を使います。
仮定法の名言・名セリフ
We could never learn to be brave and patient, if there were only joy in the world.
もし世界に喜びしかなかったなら、わたしたちは勇気と忍耐を学ぶことができないでしょう。
ヘレン・ケラーの名言。日本ともゆかりがあり、昭和24年にできた法律、身体障害者福祉法が成立するきっかけにもなった人物でした。
If you were the weakest creature in the world, I would be fine with being the second weakest.
仮にあなたがこの世で一番弱い生き物であるなら、俺は二番目に弱い生き物でいい。
「バキ」の範馬刃牙のセリフ。世界最強の生物である父・範馬勇次郎への言葉です。自分は別に強くなりたいわけじゃない、親子喧嘩の延長に過ぎない。しかしそんな言葉とは裏腹に、常に強さを追い求めるのは結局は範馬の血が流れているからでしょう。
『もうちょっとだけ続くんじゃ!』
以上、仮定法の解説でした…と言いたいところですが、じつはこれで終わりではありません。じつは仮定法には2種類あります。仮定法過去と仮定法過去完了の2種類です。いまさらですが、このページで解説したものは仮定法過去と呼ばれるものです。次のページで仮定法過去完了を解説します。
2つの違いは仮定法過去とは現在の状況を仮定した話、仮定法過去完了とは過去の状況を仮定した話です。具体例で言うと「もし1億円あったら、おまえどうする?」が仮定法過去、「もしあの時に1億円あったら、おまえどうしてた?」が仮定法過去完了です。
次のページでは、そんな仮定法過去完了を解説します。




