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英文法の中ボス、関係代名詞。学校現場で英語嫌いを量産した戦犯。そんな関係代名詞ですが、じっくり見直してみるとじつはそんなに難しくない事実に気づきます。ではなぜ多くの英語嫌いにとどめを刺してしまうのか。それは主に2つの理由があります。
●実際に使う言語としてイメージがわかない
授業では「関係代名詞とは、2つの文を1つにつなげる文法です。先行詞にもうひとつの文につなげるには…」と、いきなり関係代名詞の組み立て方の説明から始める教師が少なからずいるようです。まるで見知らぬ数学の公式を与えられていきなり練習問題を解けと言われるようなもの。なんとなく正解できても「…で?これって何?」といまいちイメージがつかめません。
●理解するまで待ってくれなさ過ぎ
学校の授業というものは、授業計画どおりに毎回教科書を進めていきます。そして理解度を測るために定期テストが実施されます。ということは定期テストまでに関係代名詞をマスターしなければいけません。猶予期間が短過ぎです。冒頭でじつはそんなに難しくないとは言いましたが、やはり can や have の使い方を覚えるよりは理解に時間がかかります。ある程度習得するまでの時間は個人差が出るため、定期テストまで間に合わない生徒も少なくないはず。でもテストが終わったら「え、ちょっと待ってまだよくわかってないんだけど…」と戸惑う生徒がいても、待つこともなく次のレッスンに入ります。
こうしてみると、関係代名詞に苦手意識を持つ人が多い理由は、そもそも関係代名詞を習得する機会が足りていないのではないかと思えます。ここでは、そんな関係代名詞と仲直りするために、ゆっくり学習していきましょう。
そもそも関係代名詞って?
関係代名詞は、名詞を文章で修飾できるようになる文法です。例えば bag(カバン) という名詞で考えてみましょう。どんなカバンか説明してみましょう。
a big bag(大きなカバン), a red bag(赤いカバン), an old bag(古いカバン)…
形容詞で修飾するだけでどんなカバンか説明できますね。では「父が私に買ってくれたカバン」はどうでしょう?「父が私に買ってくれた」という文章を修飾するので、形容詞一語では無理ですね。このように名詞を文章で修飾する必要がある時が関係代名詞の出番になります。
a bag which my father bought for me
父が私に買ってくれたカバン
関係代名詞の文章を作ってみよう
では実際に関係代名詞の文章を組み立ててみましょう。
以下の例文を見てください。教科書でよく見る定番です。
I’m looking for the man.
わたしはある男を探している。
He lives in Moriou-cho.
彼は杜王町に住んでいる。
これを関係代名詞でつなぎます。
I’m looking for the man who lives in Moriou-cho.
わたしは杜王町に住んでいる、ある男を探している。
a man(男)という名詞をlives in Moriou-cho(杜王町に住んでいる)という節が修飾、このふたつをつなぐwhoが関係代名詞です。つまり関係代名詞とは、関係する事柄を代名詞でつなぐ働きをする言葉です。
「whoって”Who is he?”みたいな疑問詞じゃないの?」と思うかもしれませんが、この場合は関係代名詞です。英語では同じ言葉でも品詞が変わることがあります。toが不定詞になったり前置詞になったりするのがその一例です。
そして関係代名詞に修飾される名詞(この場合は a man )を先行詞と呼びます。なぜわざわざ「先行」などと呼ぶかというと、関係代名詞の後に続く節(この場合は lives in Moriou-cho)を後続節と呼び、先か後かを明確にするためです。
もうひとつ重要なこと。関係代名詞 who の後、後続節がいきなり動詞の lives から始まり主語が抜けていることに注目してください。これは、後続節の主語を関係代名詞 who が先行詞 a man と結びつけているためです。
なんで代名詞を省くの?
関係代名詞で文をくっつける時、代名詞(この例文ではhe)を省略します。「関係代名詞って苦手!」という人のなかには、この省略する理由とやり方がわからず悩んでいる人がけっこういるようです。なぜ省略するのか?これは日本語で考えるとイメージしやすくなるでしょう。
「彼は杜王町に住んでいる」
⇒先行詞「ある男」に説明する文をくっつける
「彼は杜王町に住んでいるある男」
…はい、くどい日本語になりましたね。「いや最初の”彼は”はもういらねーだろ」と思った人、その通りです。英語も同じです。関係代名詞でつないだからには、「いや”he”はもういらねーだろ」なのです。
関係代名詞の種類
関係代名詞は、先行詞の種類(人かそれ以外か)や格(主格・所有格・目的格)によって違います。代名詞の I, my, meやyou, your, you、it, its,it と変化するのと同じ理屈です。
| 主格 | 所有格 | 目的格 | |
| 人 | who | whose | who(whom) |
| 人以外(物・事など) | which | whose | which |
| 両方使える | that | – | that |
目的格・人では who, whom の2つがあります。最近では whom はあまり使われなくなりましたが、フォーマルな文書などでは使われています。
主格の関係代名詞
先行詞が節内の主語として働く場合、主格の関係代名詞を使います。
■主格・人
That is the woman. She started this project.
あれがその女性です。彼女は新しいプロジェクトを立ち上げました。
↓ 関係代名詞でつなぐ ↓
That is the woman who started this project.
あれが今回のプロジェクトを立ち上げた女性です。
■主格・物
I want to live in a house. It has big windows.
わたしは家に住みたい。その家には大きな窓がある。
↓ 関係代名詞でつなぐ ↓
I want to live in a house which has big windows.
わたしは大きな窓がある家に住みたい。
目的格の関係代名詞
先行詞が節内の目的語として働く場合、目的格の関係代名詞を使います。
■目的格・人
Is that the man? You were talking about him about last week.
あれはその男性ですか?あなたは先週その男性について話していました。
↓ 関係代名詞でつなぐ ↓
Is that the man who you were talking about last week?
あれがあなたが先週話していた男性ですか。
■目的格・物
The car was very expensive. My friend bought it.
その車はとても高かった。わたしの友人はそれを買った。
↓ 関係代名詞でつなぐ ↓
The car which my friend bought was very expensive.
わたしの友人が買った車はとても高かった。
所有格の関係代名詞
先行詞が節内の所有格として働く場合、所有格の関係代名詞を使います。
■所有格・人
I have a friend. her mother is a famous musician.
わたしは友達がいます。彼女の母は有名なミュージシャンです。
↓ 関係代名詞でつなぐ ↓
I have a friend whose mother is a famous musician.
私には母が有名なミュージシャンの友達がいます。
■所有格・物
I see a big house. It’s roof is covered with snow.
大きな家が見えます。その屋根は雪で覆われています。
↓ 関係代名詞でつなぐ ↓
I see a big house whose roof is covered with snow.
屋根が雪で覆われた大きな家が見えます。
thatを使う
前述の表にもあるように、thatは人でも人以外でも使える関係代名詞です。
I’m looking for the man that lives in Moriou-cho.
わたしは杜王町に住んでいる、ある男を探している。
The car that my friend bought was very expensive.
わたしの友人が買った車はとても高かった。
■なんでthat?
thatは接続詞としても使用されるように、何かを指し示す・つなげる言葉です。英語の歴史のなかで、先行詞と後続節をつなげる関係代名詞として使用されるのも自然な流れだったのでしょう。who, whichと厳密に使い分ける必要はなく、thatの方が口語的で堅苦しくないイメージです。
■thatのみを使うケース
以下の場合はwho, whichではなく、thatを使います。
・the only, the first, the last や比較の最上級の場合
・all, every, any, no がつく「全てか無か」の場合
つまり、先行詞が唯一無二の時は関係代名詞はthatになります。
She is the only one that speaks French in the office.
彼女は職場で唯一フランス語を話せる人間だ。
This is everything that I can do for you.
これが私があなたのためにできる全てです。
2つの文をくっつける事が目的ではない
今までの解説を全否定するような言い草ですが、関係代名詞とは2つの文をくっつける事が目的の文法ではありません。あくまで名詞に文章を修飾することが役目です。ではなぜ学校の授業ではやたらと2つの文章をくっつける練習ばかりやるのかというと、関係代名詞の構造を生徒に理解させるにはこのやり方が手っ取り早いからです。
念のために言いますと、英語教育のやり方を批判する意図はありません。1人の教師が大人数の生徒を相手に関係代名詞を教えるためには、非常に合理的な方法だと思います。しかし一方で、このやり方ですぐに理解できない生徒が出てくるのも事実。その生徒達ももう少し期間の余裕があれば飲み込めたかもしれませんが、こればかりは現実的に制度の限界なので仕方ありません。
関係代名詞を使うことで文章に広がりがでます。より多くの情報を一つの文で表現できる反面、読み手にはわかりにくくなるのも事実。特に関係代名詞に慣れていない英語学習初級者だと文章が理解できないことも。そんな時は英語の基本、主語・動詞をまず見つけましょう。関係代名詞の後続節が文章そのものを長く見せているだけで、コアとなるのは先行詞。文章の長さに惑わされずに主語・動詞を見失わなければ必ず理解できます。
関係代名詞の名言・名セリフ
Anyone who has never made a mistake has never tried anything new.
Albert Einstein
失敗したことがないという人は、新しいことに挑戦したことがない人である。
アルバート・アインシュタイン
Art is the lie that enables us to realize the truth.
Pablo Picasso
芸術とは、真実に気づかせてくれる嘘である。
パブロ・ピカソ
Do you remember how many pieces of bread you have eaten so far?
おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?
ディオ・ブランド―「ジョジョの奇妙な冒険」



