英語でつまづく生徒は、単語が読めない→楽しくない→英語が苦手になるという経路をたどることが多いようです(参考:大修館書店公式サイト)。
英語教師も人間、得手不得手があるのは仕方ありません。しかしプロである以上「正直いうと発音指導って苦手なんだよね…」などと表立っては言えないのが辛いところ。たとえ発音練習が苦手な生徒がいても、教師として生徒を英語嫌いにするわけにはいきません。
そんな時、フォニックスを採り入れた発音指導は非常に効果的です。フォニックスといえば幼児英語で習うイメージが強いですが、中学生・高校生に対しても充分に有効な指導方法です。しかし幼児と違って自我をもち一目を気にするお年頃。指導法を間違うと拒否反応を示すでしょう。それでまた英語嫌いになられては元も子もありません。
逆に言えば、フォニックスを上手く使えば絶大な効果を発揮します。本書はそんなフォニックスを使い、英語の楽しさを感じてもらいながら自信を深めてもらう指導法を段階的に解説してくれます。
本書は、単語が読めない生徒の指導に悩む中学校教師の必読書です。
以下は本書の目次です。
※大修館書店公式サイトより引用
中学校英語授業「最初のひと折り」
序 音声から離れない授業で児童・生徒の4技能を開花させる
第1章 中学校からフォニックス指導を始める前に
[1]小学校外国語科の音声指導の現状
1-1 音声指導にフォーカスした小学校外国語科教科書分析
[2]中学校新入生の実態調査Can-Doリスト
2−1 アルファベット書写指導
2-2 アルファベットの定着
2-3 入学直後からの発音指導
[3]音声から離れない授業コンポーネンツ(指導項目)
3-1 音から離れて「目で学習する」危険性
3-2 初めての「中間テスト」までに、何ができるようになっていればいいか
【コラム】発音記号について
第2章 中学校から始めるフォニックス指導
[1]フォニックスとは
1-1 2つのフォニックス
[2]中学校から始めるフォニックス指導の留意点
[3]フォニックス指導基礎①
発音ごとのアルファベットの導入―文字と音―
3-1 アルファベットカードを手作りする
[4]フォニックス指導基礎②
日本語にはない子音(consonant)の指導
―「th」「f」「v」「r」「l」―
[5]フォニックス指導基礎③
アルファベットに表れる母音(vowel)の指導
―「a」「e」「i」「o」「u」―
[6]フォニックス指導基礎④
「発音指導」の授業を受けた大学生の感想
[7]フォニックス指導基礎⑤
文字から単語へ
[8]フォニックス指導基礎⑥
単語からフレーズへ
[9]フォニックス指導と並行して①
フレーズから文へ
[10]フォニックス指導と並行して②
音声認識を促すのに効果的な活動
10-1 チャンツ
10-2 英語の歌
10-3 スキット
10-4 英語劇
10-5 音読劇
第3章 フォニックス・ルールは網羅的に教えない
[1]指導すべき子音と母音のフォニックス・ルール
1-1 指導する子音字の組み合わせ
1-2 指導すべき母音のフォニックス・ルール
1-3 ルールとして指導しない子音字の組み合わせとその理由
[2]優先的に教えるフォニックス・ルール
2-1 出現頻度の高い母音字のフォニックス
2-2 ルールとしては指導しない母音字のフォニックス
2-3 ルールを覚えるのが難しい「フォニックス・ルール」をどうするか
[3]フォニックス・ルールに当てはまらない基本語
―つづりを見て覚えるサイトワーズ(sight words)―
[4]フォニックスを知らない生徒の単語の覚え方
第4章 フォニックスを生かした語彙指導
[1]フラッシュカードを使った語彙指導、フォニックス指導
1-1 フラッシュカードを使った語彙指導―飽きない繰り返し―
1-2 WordFlash(無料FCソフト)の使い方
[2]フォニックス・ルール一覧表を作る
[3]音からつづりを書く練習(2年生3学期)
第5章 フォニックスを生かした家庭学習と語彙指導
[1]1年生の夏休みの宿題
1-1 音読
1-2 暗写
[2]既習語彙と既習文法の復習プリント:1年生2学期以降
2-1 Spiral Worksheet
2-2 60秒クイズ:特に3年生2学期~3学期
[3]辞書指導
[4]教師間で共有可能な音声指導と3年生3学期のフォニックス指導
4-1 フラッシュカードと辞書指導を兼ねたフォニックス指導
4-2 入試でも役立つフォニックス講座
[5]音声から離れない授業の総括
おわりに
付録① フォニックス・ルール一覧とその扱い
付録② 語彙指導の一環としての接頭辞・接尾辞
付録③ 中学校発信語彙リスト三種
付録④ 「母音字と子音字」つづり字と発音のルール追加語彙リスト
用語解説
引用文献・参考図書・参考文献
索引


