なぜアメリカ人は靴を脱がない?靴を脱ぐ、脱がない文化があるのはなぜ?

語源・教養

※ この記事には広告・PRが含まれています

我々日本人は、家の中では靴を脱ぎます。しかしアメリカ人は家の中でも靴を脱ぎません。アメリカに限らず、靴を脱がない文化の国は多くあります。逆に、靴を脱ぐ文化は日本だけではありません。この文化の違いは一体どこから生まれるのでしょうか?



日本人が靴を脱ぐ理由

日本で家の中では靴を脱ぐ文化が浸透したのは、多分に気候が影響しています。

山が多く、周りを海に囲まれている日本は欧米に比べ湿度が高いです。そのため靴の中が蒸れやすく、そのまま家に入ると建物内の湿度も上がり、衛生的にも良くありません。さらに日本の家屋は木造で、床も木材や畳のため土足で過ごすのに適していません。また日本ではベッドではなく床に布団を敷いて寝るので、外の地面と室内の床とでは明確な境界線が引かれていました。寝返りをうったら目の前に外から持ち込んだ泥の塊、なんて事があったら落ち着いて眠れないことでしょう。

アメリカ人が靴を脱がない理由

アメリカでは、家の中でも床は外の地面の延長のように捉えています。そのため寝る時は床より高い位置にあるベッド、座る時も椅子を使うなど日本人のように床に直接座るといった発想がありません。

また、居住区の地域では日本以上に道路が舗装されており、そのため土や砂利などの汚れが靴につくことが比較的少ないのです。日本と違い気候も乾燥しているため、靴蒸れもそれほど心配ありません。そうすると室内で靴を脱ぐ必要性が感じられない事が、靴を脱がない文化が進んだ要因のようです。

靴を脱ぐ国は意外と多い?

じつは日本以外でも靴を脱ぐ国は意外と存在します。いくつかの国を挙げると、中国、韓国、インド、ノルウェー、ハンガリーなどです。

同じアジア圏は気候や住宅事情が似ているため理解できますが、意外とヨーロッパ圏の国もあります。これは寒い気候で雪が多い国に多く、家の中に雪や泥を持ち込まないために靴を脱ぐ習慣がついたと考えられています。



グローバル化の流れで変化も…

とはいえアメリカという国はもとは移民が集まってできた国。異文化が混在する土壌に加えコロナ禍の影響もあり、近年では家の中で靴を脱ぐ習慣がついたアメリカ人が増加しています。これはアメリカに限らず、靴を脱がない文化の国々にも同様の流れが起きているようです。また、SNSでも「日本に住んでみて自分の国に帰ったら、靴のまま家に入れなくなった」という外国人が多く、一度靴を脱ぐ習慣が身についたら止められないようです。

■靴の歴史は4万年以上?
余談ですが、なんと人間は4万年前から靴を履いていたそうです。これは、発見されたヒトの化石のつま先の骨の形状から判明。もちろんもとは足の保護が目的だったのでしょうが、「2万7000年前のヒトのくるぶしの骨の周りにビーズのアンクレットが見つかった例もある。人々は当時から靴のおしゃれを楽しんでいたのかもしれない」という専門家の意見もあります。靴の歴史は思った以上に古いみたいです。

参考:ナショナルジオグラフィック「人間は4万年前から靴を履いていたことが判明」

タイトルとURLをコピーしました