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“A ship is always referred to as ‘she’ because it costs so much to keep one in paint and powder.”
Chester Nimitz
「船」はいつも’she’と呼ばれる。なぜなら「彼女」を維持するためには、塗装と粉に莫大な費用がかかるからだ。
チェスター・ニミッツ
【文法解説】
複雑に見えますが、文の構造はシンプルな現在形です。
be referred to as ~ : ~と呼ばれる
costは「費用、コスト」を意味する名詞ですが、ここでは「費用がかかる」と動詞として使われています。
チェスター・ニミッツって誰?
歴史上の人物といっても、日本ではあまり聞き覚えのない名前かもしれません。
チェスター・ニミッツはアメリカ海軍の軍人で、2つの大戦を経験、太平洋戦争では太平洋艦隊司令長官として日本軍と戦いました。航空母艦のニミッツ級という呼び名は、この人物の名が由来です。歴史の授業でもあまり馴染みのない名前ですが、当時は陸軍のマッカーサー・海軍のニミッツといったポジションでした。
船の代名詞はなぜshe?
筆者が中学生だった時、英語の授業で「船の代名詞はsheで表す」と習いました。当時は「なんでsheやねん」と思ったものの、大して興味はなかったためその後は特に疑問を持つことはありませんでした。
筆者が英語を教える立場になってからあらためて調べてみましたが、明確な理由、起源はないようです。諸説としては
・水上で守ってくれるイメージが女神のイメージと重なる
・中世時代、古フランス語で船を意味する女性名詞nefが英語に取り入れられた名残
・船を操縦するのはほぼ男性だったので、船はパートナーという意味合い
などがあります。どれもハッキリしませんが、sheが使われる理由は文法的理由ではなく、何らかの文化的背景の名残のようです。
最近ではitになりつつある
ジェンダーに厳しい現代社会では、sheではなくitになりつつあります。特に船を扱う業界に近いほどその傾向が強いようです。これも時代の流れでしょうが、そもそも船は無生物名詞、文法的にはitの方がしっくりきますね。