
午前は A.M.と表記され、午後はP.M.と表記されますが、そもそも何の略かは意外と知られていません。
いきなり答えを言いますが、由来はラテン語で、A.M.は”ante meridiem(真昼の前)”、P.M.は”post meridiem(真昼の後)”を略したものです。
よく聞くのは “after midnight(真夜中過ぎ)” と”past midday(真昼過ぎ) “の略というものですが、これは正しくありません。これは単語の意味がピッタリはまるので説得力があるため、この説が広まったと思われます。ちなみに midnightは午前零時、middayは正午ごろを指します。正午ぴったりはnoon。
時計の歴史
1日を午前・午後のそれぞれ12時間で分けたのは古代エジプトが起源と言われています。紀元前5000年頃のエジプトでは、地上に巨大なオベリスク(先端が尖った石の柱)を立て、その影の位置や長さでおおよその時刻を測っていました。いわゆる日時計で、人類最古の時計です。エジプトがある北半球では、オベリスクが作る影は右回りに移動するため、時刻を指す針は自然と右回りに定着していきました。
初めての機械式時計はルネッサンス期の1300年頃。教会の塔の上にアナログも文字盤の時計が設置され、自動で鐘が鳴るようになりました。この流れから、現代で使われる英語clock(時計)は、ラテン語で鐘を意味するcloccaが語源です。