ゴッホの「星月夜」、正確に物理現象が描かれていると判明

【画像】ゴッホ「星月夜」
※画像引用元: wikipedia

ゴッホの「星月夜(ほしづきよ)」は、「ひまわり」と並びゴッホの代表作のひとつとして知られています。三日月とともに大きな星が夜空に渦巻いている様子が印象的です。海流や渦潮にも見える、この夜空の渦巻きのような流れは何を表現しているのでしょう?

この「星月夜」の夜空の流れを流体力学の専門家達が分析した結果、驚くほど正確に物理現象に従って描かれていることがわかりました。

中国とフランスの海洋科学と流体力学を専門とする研究者らによると、「星月夜」を高解像度のデジタル画像で筆の強弱や相対的な間隔、絵の具の輝度などを分析。その結果このゴッホの「星月夜」は、エネルギーカスケードを説明する「コルモゴロフ則」という理論の要件を満たしていることが判明。



エネルギーカスケードとは、大規模な乱流から小規模な乱流へエネルギーが遷移する現象で、大気中でも見られます。ちなみに「コルモゴロフ則」がアンドレイ・コルモゴロフ(ロシアの数理物理学者 )によって定式化されたのは1940年代初頭。ゴッホが「星月夜」を描いたのは1889年です。

時代的にゴッホに流体力学の知識を得ることは不可能です。ましてや夜空を観察してもエネルギーカスケード現象を肉眼で見ることはできません。つまりゴッホは、目に見えない自然現象を直感的に理解していたとしか考えられません。

ゴッホの見ている世界は我々とは大きく違うことは間違いないでしょう。

ソース記事:Beneath the brushstrokes, van Gogh’s sky is alive with real-world physics

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