【教養としての聖書入門】聖書を知るとマンガや映画がもっと面白くなる!【ざっくり解説】

【画像】聖書を持つ手

聖書といえばキリスト教の聖典です。聖書に書かれている教えを信じているのがキリスト教徒(クリスチャン)で、通常はキリスト教信者や宗教家などでなければ聖書を読もうとは思いません。

しかし聖書に書かれている教えやエピソードはキリスト教圏の国々の文化に深く根付いており、聖書を知ることが欧米文化の理解につながります。海外ドラマや映画、日本の漫画でも聖書の引用は多くあり、聖書の知識があればより深いレベルで作品を楽しめます。芸術の世界も「最後の晩餐」のように聖書に基づいた作品も多く、時事問題でも根源に宗教がからんでいるものに対する理解も深まります。また、道徳的な教えは我々の生き方の参考になる話も多く、神を信じていなくても聖書から得られるものは多々あります。

とはいえ聖書を読破するのはハードルが高いのも事実。そこまでしなくとも、あらすじだけでも知るだけでも、何も知らないよりは天地の差があります。これを機会に、聖書の知識を少しだけでも身につけてみましょう。

聖書は2種類ある?

聖書には旧約聖書と新約聖書があります。「約」とは契約の事であり、旧い契約、新しい契約を指します。

旧約聖書は神とイスラエル人との契約の歴史です。有名なアダムとエバ、ノアの箱舟、バベルの塔の話はこの旧約聖書に記されています。

新約聖書はイエス・キリスト到来の話で、全体的にイエスが中心の話です。旧約聖書では人類の救世主が現れるとの約束が与えられており、その救世主がイエス・キリストという流れです。

旧約聖書の有名なエピソード

旧約聖書の中でも特に有名なものをピックアップ、あらすじをざっくり解説します。

アダムとエバ

神が創った最初の人間、アダムとエバ。エデンの園で何も不自由する事なく暮らしていました。神様は2人に「この園にある木の果実はどれでも食べてよいが、中央にある知識の木の実だけは食べてはならない。もし食べるとエデンから去らねばならず、やがては死んでしまう。」と伝えていました。しかし神の不在時に蛇が現れ「神様の言う事はウソだよ」とエバをそそのかし、エバは知識の実を食べてしまいます。その後アダムも食べ、2人はエデンを追放されます。この時に男であるアダムには労働の苦しみ、女であるエバには出産の苦しみが与えられました。

労働、陣痛を意味する単語が“labor”なのは、ここから来ています。

カインとアベル

アダムとエバとの間に生まれた兄弟、カインとアベル。カインは農夫、アベルは羊飼いとなりました。収穫の時期がくると神への捧げものとして、カインは作物の一部を、アベルは子羊を捧げました。神はカインの捧げものより、アベルの捧げものである子羊の方を喜びました。カインは嫉妬にかられ、怒りの感情を抑えることができずについには弟のアベルを殺してしまいます。神は「弟の血を吸い込んだ大地はもうお前のために作物を実らすことはなく、お前は呪われて大地をさまようだろう」と告げました。

人類初めての兄弟殺しの罪として知られるエピソードです。

ノアの箱舟

アダムとエバの子孫の中に、ノアという誠実で善良な人物がいました。しかしノア以外の人間は不誠実で堕落した者ばかりでした。人間を創った事を後悔し始めた神は、洪水を起こして地上の全ての生き物を滅ぼす決心をしました。しかし善良なノアだけは救おうと決め、神はノアに自分の計画を告げます。神はノアに巨大な箱舟を建造するように命じ、ノアの家族と全ての種の動物や鳥を雄雌一匹づつを乗せ、長旅に耐えうるだけの食糧も準備するよう伝えました。やがて洪水がおき、40日間雨が降り続けました。全ての生き物が死に絶え、雨が上がった後、ノアは水が引いてきたことを知ります。

新約聖書の有名なエピソード

新約聖書の中でも特に有名なものをピックアップ、あらすじをざっくり解説します。

イエスの誕生

ある日、ダビデの子孫であるマリアという若い女性の元に天使ガブリエルが現れ「身ごもった男の子にイエスと名付けなさい」とマリアに告げます。マリアにはヨセフという婚約者がいましたが、この時マリアは処女でした。マリアはなぜ身ごもるなどと不思議に思っていると天使は「その子は聖霊から授かる子で予言されていた救世主である」と伝えました。

山上の垂訓

「さんじょうのすいくん」と読みます。また、山上の説教とも言われています。イエスが山の上で弟子達や群衆に向かって語った教えを指します。説教は以下の内容が主なものです。

「狭き門より入れ」
「右の頬を打たれれば、左も向けなさい」
「汝の敵を愛せよ」
「人からしてもらいたいとあなたが望むことを、人々にしなさい」

キリスト教信者でなくてもどこかで聞いたことのあるような有名な言葉です。

最初の石を投げる

ある日、律法学者たちが姦通罪で捕らえた女をイエスのもとへと連れてきました。彼らは「この女は姦通しているところを捕らえられました。律法では、こういう女は石で打ち殺せとモーセは命じています。あなたはどうお考えでしょうか?」とイエスに尋ねました。するとイエスは答えました。「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が最初にこの女に石を投げなさい。」これを聞いた律法学者たちは一人また一人と立ち去っていき、最後にはイエスと女だけが残りました。

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