“We want to end gender inequality, and to do that we need everyone to be involved.”
Emma Watson
私たちは性の不平等を終わらせたいのです。そのためには一人一人の参加が必要です。
エマ・ワトソン
【文法解説】
to不定詞を使った現在形の文章です。
to do that: それをするためには
need A to ~: ~するためにAが必要
エマ・ワトソンの国連スピーチの冒頭部の一節です。
フェミニストとは、女性の権利を主張し男女の不平等を解消するよう主張する人を指します。このエマ・ワトソンの国連スピーチも女性の権利を訴えるもので、いわゆるフェミニズムな内容でしたが、それまでのフェミニストとは一味違っていました。
エマ・ワトソン本人自身もスピーチの中で触れているように、フェミニストの主張は女性の不当な扱いや不平等を訴えるあまり、時に男性敵視につながっている事実を指摘しました。そのおかげでフェミニズムという言葉があまり良い印象を持たれなくなりました。
そんな風潮もありフェミニストの声はあまり男性からは関心を持たれる事が少なかったのですが、このスピーチは多くの男性が耳を傾けました。それはなぜか。
彼女は、ジェンダー平等(gender equality)の恩恵を受けていないのは女性だけでなく、男性もまたその恩恵を受けていない事実を指摘したのです。
世界ではジェンダー平等と言いながらも実際は男性社会。男性に比べ、女性が活躍できる機会は制限されています。女は引っ込んでろ、女はこうあるべき、まだまだそんな偏見がまかり通っているのが現実です。エマ・ワトソンは、この女性の不平等を指摘しながらも、男性の不平等にも踏み込みました。男の成功はこうあるべき、弱音さをみせるのは男らしくない。そんな社会が求める男性像に苦しみ、多くの男性が自殺している事実をスピーチの中で語りました。そして、ジェンダー平等の実現には一方が主張するのではなく、男女ともに協力して創り上げるものだと。
2014年、ニューヨークで行われたこの国連スピーチは、女性だけでなく多くの男性の共感を得ました。