「国際化」と「グローバリゼーション」の違いって何?

「国際化」と「グローバリゼーション(グローバル化)」、この2つの言葉はよくニュースなどで使われています。同じような意味に聞こえるので混同されることもありますが、じつは明確に違います。

国際化

国際化とは、それぞれの国の文化や制度、国境などをお互いに尊重しながら理解して、相互の違いを認めつつ積極的に交流することを指します。国際は英語でいえばinternationalですが、これは2つの言葉からできています。inter(交差する)とnational(国家)、つまり「国家が交わる」という意味です。

いつから国際化という言葉が使われるようになったか定かではありませんが、海外旅行や留学、企業の海外進出が珍しくなくなってきた昭和後期頃から「これからは国際化社会の時代だ」とよく言われるようになりました。大学の入学式や新社会人の入社式のスピーチなどでも「国際人になりなさい」という言葉が決まり文句のようになっていました。



グローバリゼーション

グローバリゼーションとは、国と国の垣根を取り払い、人・物・金の流れをできるだけ活発にしようとする考え方です。globalizationglobeは地球を意味する言葉で、国ではなくひとつの地球の中としてマクロな目線で考えようとする背景があります。

国際化と違い、それぞれの国家のアイデンティティはあまり尊重されません。ビジネスありきの概念で、物事をスムーズに進めるために共通の基準、いわゆるグローバルスタンダードが決まっていきます。基準を決めることができるのは金と力を持った国家や企業で、立場の弱い国々の基準が尊重されることはまずありません。

現代のグローバル社会

移動手段や通信技術の発展に比例して世界もグローバリゼーションが進みました。その結果、国家というものの意味合いが昔より弱くなり、多国籍の資本に支えられているグローバル企業が小さな国家並みの影響力をもつようになりました。おかげで我々の生活は便利になった反面、格差社会化も進み、金と力がモノをいう世界になってきました。一方で「これではいけない」と行き過ぎたグローバリゼーションに待ったをかける声も増え始めてもいます。

願わくば、これからは精神的な豊かさも追及する国際化社会になってほしいものです。



タイトルとURLをコピーしました