“There is no path to peace. Peace is the path.”
Mahatma Gandhi
平和への道はない。平和こそが道なのだ。
マハトマ・ガンジー
【文法解説】
There is 構文の文です。
path: 小道、遊歩道、方向、生き方
peace: 平和
「道」はpath ではなく way を使っても意味は通りますが、peace の頭文字 p に合わせて path を使ったと思われます。英語では頭のアルファベットを揃えて韻を踏むように文を組み立てる特徴があります。
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平和を願う式典などで引用される事が多い、マハトマ・ガンジーの言葉です。
「平和への道はない。平和こそが道なのだ。」
なにやら哲学的な響きのある言葉ですが、一瞬「え?どういう意味?」ってなっちゃいますね。
これは、道の先に平和というゴールがあるわけではない、人が歩んで行く道に平和を実現していかなければならない、という真理を語った言葉です。
もとは弁護士だったガンジーですが、イギリス領アフリカにて酷い人種差別を目撃しショックを受けます。その後、非暴力・非服従による活動で人種差別と戦い、ついにはインド独立に至りました。教科書にも載っている有名なガンジーの偉大な功績です。
しかし、それでも平和というゴールにたどり着いたわけではありません。ガンジーの死後、相変わらず人種差別は存在するし戦争もなくなってはいません。愚かな過ちを繰り返し続けています。ではガンジーのしたことは無駄だったのか?というと、もちろん違います。平和とは何もしなくても自然発生するものではなく、戦って勝ち取っていく。人類の歴史はその繰り返しです。
黒人を差別するのは間違っている、という考え方も同様です。白人達がある日突然「黒人を差別するのはよくない。やめよう。」と目覚めたわけではありません。キング牧師やマルコムXなどの黒人指導者達が汗と血を流し多大な犠牲を払いながら、今では当たり前となった黒人の人権を勝ち取ったのです。これもまた権利を勝ち取った時点でゴールなのではなく、それを維持するための道は続いています。
平和ボケと言われる我々日本人ですが、それは今の平和はあって当たり前だと思っているからでしょう。平和が維持されているのは、誰かの努力のおかげなのです。