【渋沢栄一】商売をする上で重要なのは、競争しながらでも道徳を守るということだ。【名言を英訳】

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“What is significant to run a business is maintaining morality while competing.”
Eiichi Shibusawa

商売をする上で重要なのは、競争しながらでも道徳を守るということだ。
渋沢栄一

【文法解説】

significant: 重要な、大切な、

run a businessで「商売をする、ビジネスを運営する」という意味になります。runといえば「走る」という意味のイメージが強いですが、このように「(商売などを)運営する」「(水が)流れる」「(選挙に)出馬する」といった多くの意味を持ちます。

maintain: 維持する、保つ

morality: 道徳、倫理

<be動詞+動詞-ing>だからといって進行形とは限りません。この場合のmaintaining動名詞で「維持すること」と名詞の働きをします。

compete: 競争する、争う、立ち向かう

接続詞whileは、主語+動詞のある2つの文章をつなぐ働きをしますが、主語が同じ場合は<while + 動詞-ing>の形にできます。



NHK大河ドラマ「青天を衝け」で知名度が上がり、また新1万円札の顔として選ばれた渋沢栄一の言葉です。

近江商人の経営哲学で「三方良し」というものがあります。これは、「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」を指し、売り手も買い手も満足して社会貢献にもなる商売を意味します。商売とは儲かれば良いものではない、という戒めにもなる言葉です。渋沢栄一のいう「道徳を守る」に通じるものがあります。

商売はもちろん利益を上げることが使命です。しかし、利益の追求と道徳は相反するものではないと渋沢栄一は考えました。人間は経済的に豊かになれば心も豊かになり、結果として社会がより道徳的となり、皆が経済的にも精神的にも健やかに暮らせるようになるという発想です。中国のことわざ、「衣食足りて礼節を知る」と考え方は似ていますね。

しかし、今の日本社会は経済的にも精神的にもすっかり貧しい国になってしまいました。合理性が美徳とされ結果至上主義、最大限に利益を上げることがビジネスの全てのような思想が良しとされるのが今の時代です。貧富の格差は広がり、窃盗や強盗事件も増えました。犯人たちは必ずしも悪人ばかりではなく、生活費に困った庶民であることも珍しくありません。生活に余裕があれば決して犯罪に手を染めるような人達ではなかったりするのでしょう。

社会全体が閉塞感に包まれている今こそ、渋沢栄一の思想を見直す時がきたのかもしれません。



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