※ この記事には広告・PRが含まれています
“You can’t obtain true strength if you are afraid of losing.”
Naoya Inoue
負けることを恐れていたら、「本当の強さ」を手に入れることはできない。
井上尚弥
【文法解説】
助動詞canを使った文章。
obtain: 得る、取得する、(努力して)手に入れる
「手に入れる」はgetでも間違いではありませんが、苦労・努力して手に入れるものはobtainの方が適切です。物質的なものより資格や学位、富や名声の場合はgetよりもobtainを使います。
true strength: 本当の強さ
be afraid of ~ : ~を恐れる
バンダム級の世界王者のボクサー、井上尚弥の言葉です。
「モンスター」の異名を持つ井上尚弥ですが、まさに言葉どおり怪物です。戦績は27戦全勝 (24KO) 無敗 (2024年8月時点)、無敗で異常にKO率が高い漫画みたいな戦績です。
インもアウトもこなしコンビネーションも多彩、ディフェンス技術も高い。ボディでKOをとる破壊力。全てにおいて高いレベルで装備しており、弱点が見当たりません。
また、井上尚弥とスパーリングした経験を持つボクサーはみんな口を揃えて「ジャブが強い」と言うそうです。相手にしてみたらジャブすらも要警戒なパンチになるため、相当やりにくいでしょう。まさに左を制する者はなんとやらです。
vsノニト・ドネア戦
井上尚弥の試合で、個人的に印象が強いのはノニト・ドネア戦です。
2人が初めて戦ったのは2019年11月7日。激しい打ち合いの末、11Rで左ボディでダウンを奪った井上が判定勝ち。しかし右目眼底と鼻を骨折しており、決して楽な試合ではありませんでした。
2022年6月7日、 3団体の王座統一を懸けて2人は再び拳を交えます。1R終了間際、井上の右ストレートがドネアの顔面をとらえダウンを奪います。勢いに乗った井上は2Rで怒涛のラッシュ。右ストレートから左フックでドネアをマットに沈めます。
ドネアも世界王者、弱いはずはありません。しかし終わってみれば2回1分24秒TKOという圧勝。2年弱で恐ろしく強くなったものです。
「強いって、何ですか?」
本当の強さ、と聞くとボクシング漫画「はじめの一歩」を思い出します。日本フェザー級王座を懸け、主人公の幕の内一歩が王者千堂武士に挑戦した時のシーンです。7Rのインターバルでの一歩と鴨川会長と言葉を交わします。
「強いって、何ですか?」
「知りたいか。ならば戦ってこい。あの男に勝ってこい」
2回目の井上対ドネア戦を観た時、この一歩と鴨川会長の会話を思い出しました。現実とマンガという全く別次元な話ですが、同じ2戦目ということもあり何か通じるものを感じました。