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“Heaven does not create a man above or below another man.”
Yukichi Fukuzawa
天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず
福沢諭吉
【文法解説】
シンプルな現在形の文章です。
create: 生み出す、創造する
前置詞avove(上)とbelow(下)を接続詞のor(~もしくは~)でつなげています。
誰もが学校で習う「学問ノススメ」の前文です。福沢諭吉といえばこの言葉、というレベルで有名です。
「人はみな平等だ」と言っているのではない
天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず …じつは福沢諭吉の思想ではなくアメリカ合衆国独立宣言書の序文「全ての人間は生まれながらにして平等だ」を元に語っている言葉です。
しかし実際は、福沢諭吉の思想として誤解されることが多いようです。福沢諭吉自身はこの「人はみな平等」などと全く思っていません。「学問ノススメ」ではこの文の後に全く逆の意味の内容が語られていきます。
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずといへり。~中略~されども今廣く此人間世界を見渡すにかしこき人ありおろかなる人あり貧しきもあり冨めるもあり貴人もあり下人もありて其有様雲と坭との相違あるに似たるは何ぞや。」
ざっくり要約すると、
「神様は人間を平等に創り生まれながらに上も下もない、って言うけど。でも現実には賢い人とバカな人、金持ちと貧乏人がいるじゃん。おかしくね?」
と言っているのです。そしてその後に続くのは、
「されば賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりてできるものなり。」
これは、
「賢者と愚者の違いは学習するかしないかの差だな。」
ということです。
学問ノススメの意味
福沢諭吉が「学問ノススメ」で主張しているのは、
人はみな平等だって言うけど、
↓
実際は賢者と愚者、金持ちと貧乏人がいるよね。
↓
どうゆうこと?
↓
思うに、学習するかしないかの差だな。
↓
ってことは、少しでも不平等を埋めるためにみんな学問しようぜ。
ということです。ちなみに福沢諭吉がここでいう学問とは良い学校へ行けと言っているのではなく、「生きるために必要な知恵と教養を身につけよう」と言っています。
まさに文字通り「学問ノススメ」なわけです。