
「英会話フレーズを暗記しても意味がない」という意見を聞くことがあります。もちろんフレーズ暗記だけの学習は限界があります。しかし日常会話では話す内容はある程度決まっています。よくよく考えてみれば、「おはよう」「元気?」「昨日は何した?」「疲れた」「コーヒー飲みたい」など、わりと毎日同じような言葉を口にしています。だったら頭の中で毎回ゼロから英文を組み立てるより、フレーズを暗記して使い回した方が効率的です。
ここでは、効果的なフレーズ暗記の学習法と実践で活かす方法を紹介します。
文法もフレーズから学ぶ
学生時代は、文法を一生懸命に勉強したものでした。それはそれで大切なものです。しかし社会人の英語学習の目的は、テストで点を取ることではなく実践で使える英語を身につけること。受験勉強の繰り返しは非効率的で退屈なので挫折の元です。受験勉強の「文法を学習する⇒文法の例文を読む」ではなく、暗記するフレーズの文法を学習しましょう。
I had never used this software before I bought a new computer last month.
先月に新しいパソコンを買う前は、このソフトを使ったことがなかった。
例えば上記のフレーズを「~を使ったことがない」と表現するフレーズとして覚えます。過去完了形の文ですが、文法解説書を読んでも過去完了形が理解できなかったとしても大きな支障はありません。それよりも過去完了形を一生懸命に理解しようとして時間を浪費してしまう方が問題です。そんな時間があったらまた別のフレーズを覚えた方が良いからです。
目的に合ったフレーズを覚える
英会話フレーズといっても、やみくもに何でも覚えたらよいわけではありません。もちろん日常会話フレーズは汎用性が高いので覚えても損はないのですが、業務やキャリアのために学ぶのであれば、自分の専門分野のフレーズを中心に覚えましょう。
ビジネス英語のフレーズ例文
It’s a pleasure to meet you.
お会いできて光栄です。
I look forward to collaborating with you.
一緒にお仕事ができるのが楽しみです。
I was wondering if you could give us the estimate by tomorrow.
明日までに見積りを頂けないでしょうか。
IT英語のフレーズ例文
How much time do we have until delivery?
納品までどのくらい時間がありますか?
How do you maintain your server?
どのようにサーバーを維持していますか?
We changed the passcode from 4 digits to 6 digits to resolve the problem.
その問題を解決するために、パスコードを4桁から6桁に変更しました。
覚えたフレーズをいじってみる
素振り、型を覚える。それだけでは意味ないが必要な基礎練習
その場面に遭遇した時に暗記フレーズをただ口にすることが目的ではない。英語の配列を身体に叩き込む。
例えば、なにかフレーズを暗記したとしても、現実にそのフレーズを使うのにピッタリの状況に出会うとは限りません。あったとしても、その頃にはフレーズを忘れているかもしれません。覚えたフレーズを自分のものにするには、フレーズを色々といじってみましょう。例えば以下のフレーズを覚えたとします。
The purpose of today’s meeting is to discuss the marketing strategy for the new product.
今日の会議の目的は、新製品のマーケティング戦略について議論することです。
このフレーズの単語を使って、別の文章を作ってみましょう。
The purpose of the marketing strategy is not to increase sales this year but next year.
このマーケティング戦略の目的は、今年の売上を伸ばすことではなく、来年の売上を伸ばすことです。
また、productという単語を使ってもっとシンプルな文を作ってみましょう。
The product has been very popular since last year.
その製品は去年から非常に人気が出てきた。
このように定番フレーズで色々と遊んでみるとアウトプットの練習にもなります。
名言や映画のセリフを覚えるのもアリ
テキストの例文だけではなく、英語の名言や映画のセリフを覚えるのもよいでしょう。名言は心に響くものが多いため、覚えやすいです。また、映画を観ながら「お、このフレーズ使えそう」と思ったものをメモしておくとよいでしょう。実践では使えそうにないものでも、気に入ったセリフがあったらそれも覚えましょう。自分が好きなものはすぐに覚えるものです。合理性を追求するだけではなく、たまには純粋に楽しみましょう。
“I know what I have to do now, I’ve got to keep breathing because tomorrow the sun will rise. Who knows what the tide could bring?”
今やるべきことは分かっている。明日も日は上る、だから呼吸を止めないことだ。波が何を運んでくるかなんて誰がわかる?
-映画”Cast Away”のセリフ
必ずアウトプットする
新しいフレーズを暗記・・・で終わってはなんの意味もありません。英語学習はインプットしたものをアウトプットしてなんぼです。覚えたフレーズは実際に使ってみましょう。職場など周りに外国人がいない環境なら、オンライン英会話を利用するのも手です。レッスンの学習内容だけでなく、自分が覚えたフレーズをどんどん使ってみましょう。
周りにも外国人はいないしオンライン英会話も始められない、というのであれば音読・録音して確認しましょう。インプットで終わらせるのではなく、相手がいなくても必ずなんらかの形でアウトプット練習は必要です。
フレーズを身体に叩き込むオンライン英会話
オンライン英会話の数は多く、それぞれに特徴や学習法があります。そのなかでも、フレーズ暗記に通じるものがある学習法を採用しているオンライン英会話を紹介します。
イングリッシュベルは、DMEメソッドという英語学習法を採用しているオンライン英会話です。DMEとはDirect Method for Englishの略で、日本語をあてるなら英語直接教授法。これは、母国語を介さずに英語を英語のまま処理する学習法です。
実際にやることはシンプルです。先生の質問にフルセンテンスで答えることを繰り返す。日本語は使わず英語のみ。先生は質問を早口で2回繰り返す。ただそれをひたすら繰り返す。例えば以下のような流れです。
先生: Is this your bag? Is this your bag?
生徒: Yes, it’s my bag.
こうして文字に書き起こすと簡単そうに見えますが、最初はこんな中1レベルの英語すらスムーズに話せずショックを受けるでしょう。またこの時、ただ“Yes.”や“Yes, it is.”で済ませてはいけません。必ず先生の文型に沿って答えなければなりません。また、“It is”ではなく“It’s”、“I am”ではなく“I’m”と、短縮形にすることも必須です。
これをひたすら反復練習。慣れないうちはものすごく集中するので非常に疲れます。いわば英語の筋トレのようなものです。
しかしこれを続けていると必然的にリスニング能力が劇的にアップ、日本語を使用しない英語の反射神経が身についてきます。地味で疲れるトレーニングほど効果が高いのはスポーツに通じるものがあります。
興味がある方はぜひ無料体験に申し込んでみてください。
また、他のオンライン英会話にも興味がある方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。