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“Service to others is the rent you pay for your room here on earth.”
Muhammad Ali
他者に尽くすことは、この地球上でのあなたの場所に払う家賃である。
モハメド・アリ
【文法解説】
service to others (他者に尽くすこと)が主語。
日本語でも「サービス」という言葉を使いますが、英語の元々のserviceはもっと広い意味を持ちます。接客業だけでなく、軍や公共施設での業務、電気やガスなどの供給、誰かへの奉仕や貢献もserviceを使います。
モハメド・アリ(1942 – 2016)
アフリカ系アメリカ人のプロボクサー。元世界ヘビー級チャンピオン。
人一倍がんばった結果、社会で成功を成功する。それはもちろん素晴らしいことですが、育ててくれた家族や支えてくれた仲間がいたことも事実です。社会のなかで生きている以上、100%自分だけの力で生きていくことはできません。住む家を建ててくれる大工、食糧を作ってくれる農家、材料を運んでくれる運送屋、そんな人々がいてくれるからこそ生活が成り立っています。
しかし効率化や短期的な結果が求められるグローバル社会では、そんな事を実感しにくくなっています。時代の流れから効率や結果が重視されるあまり、公共制度も民営化が進んできました。もちろん既得権益化した害のある公的機関にメスが入るのは歓迎すべきことです。しかし「効率が悪い、結果が出てない」だけの理由で切り捨てるなら、それは公共という概念の全否定でもあります。成功者もかつては公共制度の恩恵を受けたはず。強者も弱者も平等に利用できるものが公共であり、公共とはその性質上そもそも効率が悪く結果が見えにくいものです。
実力のある者だけが生き残る。実力のない者はすべて自己責任。行き過ぎた弱肉強食の社会は戦乱の世と変わりません。暴力と剣で生き残るか、権力と金で生き残るか。そんな違いでしかない、殺伐とした世界になるでしょう。
国際ジャーナリストの堤美果氏は、末端の人々の声は聞き入れられずグローバル企業の論理がまかり通る世界の現状を「今だけ金だけ自分だけ」と表現し警鐘を鳴らしています。 強者も弱者も、人に対する敬意と感謝の気持ちを忘れない社会であってほしいものです。