“a”と”the”の違いと使い分け; これさえ知っておけば理解できる【大人のやり直し英語】

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【画像】秤

冠詞の“a””the”の使い分け。日本人なら誰もが一度はつまずくハードルではないでしょうか。
日本語にない品詞なので「ん?なにこれ?」と戸惑ってしまいます。しかも学校の英語教育では初期に習うため、この“a”“the”のせいで英語嫌いになるケースさえあります。

しかしそんな“a””the”ですが、それぞれの役割さえ知れば何も難しいことはありません。

ここでは英語が苦手な人向けに、“a””the”の違いと使い分けを紹介します。

使い分け、じつはとても簡単

このふたつのそれぞれの違い、一言でいえば

a不特定多数の中のひとつ

the特定された唯一のもの

になります。以下の例文を見てください。

1. This is a kimono.
2. This is the kimono.

どちらも「これは着物です」という意味です。
1.は着物を見たことがない外国人に見せる時に使います。a kimonoは、いわゆる世間一般の着物を指しています。
.は特定の着物を指しています。話者と聞き手も共通認識がある着物です。例えば以下のような会話の流れの場合です。

My mother gave me a kimono. This is the kimono.
わたしの母が着物をくれました。これがその着物です。

最初の一文目では、いわゆる世間一般の着物(a kimono)を指しています。二分目では、世にある不特定多数の着物ではなく、母がくれたという特定の着物(the kimono)を指しています。



必ず “the” がつく単語

sky(空)やocean(海)などは必ずtheがつきます。これは、空や海と聞けば思い浮かべるものは我々全員同じだからです。空や海に不特定多数などありません。

the sky (空), the ocean (海), the earth (地球), the sun (太陽), the moon (月), the universe (宇宙), the world (世界)

しかし、文脈によっては例外もあります。

I want a world that I can tell people to live.
「生きろ」と言える世界がほしい。

これは11世紀の北欧を舞台とした漫画「ヴィンランドサガ」の主人公トルフィンのセリフです(細かいことを言えばアニメ版のセリフ)。奴隷や戦争で傷ついた人々のため、またかつては傷つける側だった自分自身の贖罪のため、奴隷と戦争のない平和な世界を作ろうという思いから出てきた言葉です。憎悪と破壊、贖罪と再生、そして新たなる創造と、人間の業を感じる名作です。

文法の話に戻ります。この場合は想像上のworldで、皆の共通認識しているworldではありません。話者であるトルフィンの頭の中にだけ存在するworldなので、ここでthe worldと言われても聞き手は「いやどの世界の話だよ?」と戸惑います。そのため、この場合は a を使います。

銀河とスターウォーズ

galaxyは「銀河」を意味する単語です。 a galaxyということもあればthe galaxyという時もあります。the galaxyとは我々が住む太陽系がある、いわゆる天の川銀河を指しています。ちなみに天の川銀河は英語でthe Milky Wayです。いわゆる皆がイメージする共通認識の銀河といえばこの天の川銀河、ということです。

a galaxyは不特定多数の銀河を指します。天の川銀河やアンドロメダ銀河なども含む、宇宙に存在する銀河全てが対象です。そのためa galaxyという表現は、天文学者やSFの中では使われても我々が使うことはあまりないでしょう。

【画像】銀河

個人的には a galaxy という表現でまず思いつくのは映画「Star Wars(スターウォーズ)」のオープニングです。

A long time ago in a galaxy far, far away… 
昔むかし、遠く遠くにある、とある銀河にて… 

https://www.starwars.com/video/star-wars-episode-iv-a-new-hope-opening-crawl

この世界ではそれこそ星の数ほど存在する銀河のうちのひとつ、という感覚です。そんな不特定多数の場合は“a”です。

まとめ

“a”は不特定多数を表し、“the”は話者も聞き手も共通認識のある特定のものを指します。それを理解したうえで英文を読めば、実際にどう使い分けされているかの感覚が身についていきます。



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