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英文法のなかでも日本人が特に苦手な a と the の使い分け。中学の授業で初めて出会う、いわゆる冠詞です。日本語にはない品詞なので苦手な生徒が続出、よくわからないまま大人になった人も多いようです。しかしあらためて復習してみると、「なんでこれがわからなかった?」と思うほど簡単です。もちろん、慣れないと使いこなすには時間がかかるでしょうが、知識としては何も難しいことはありません。ではさっそく見ていきましょう。
“a”と”the”の違い
一言でいえば、
a は不特定多数のひとつ
the は特定されたひとつ(あるいは複数)
具体例を見てみましょう。
I bought a car last week.
Let me show you. This is the car.
先週、車を買ったんだ。
見てくれよ、これがその車だ。
最初の文では初めて車の話題が出てきました。この時点ではまだ a です。しかし次の文では、どの車の事を言っているかわかっているので the となります。話し手も聞き手も「先週買った車」のことだと共通認識があるからです。
必ず “the” がつく単語
共通認識があるものは the がつく、ということは最初から the がつく単語が存在します。以下はその例です。
the sky (空), the earth (地球), the sun (太陽), the universe (宇宙), the world (世界),

これらの単語は、不特定多数という概念は存在しないからです。空といえば誰もが見上げた空間に広がるものだと認識していますし、地球や宇宙といったものはひとつしかありません。
しかし、これらの単語でもaがつく場合があります。それは、想像上の話です。例えば以下のような場合です。
I wish I could live in a world with no hay fever.
できることなら花粉症がない世界に住みたい。
ここでいうworldは、今我々が住んでいるこの世界ではなく花粉症が存在しない空想上の世界のことを言っています。空想上の世界なんていくらでも思いつきます。よって不特定多数、という解釈です。
映画「Star Wars」の世界
銀河は英語で the galaxy。これも“the”がつきます。銀河と言えば通常は我々の住む地球がある天の川銀河のことだからです。しかし、映画「Star Wars」の世界は違います。銀河、といってもどの銀河を指しているのかわかりません。エピソード4のオープニングを見てみましょう。
A long time ago in a galaxy far, far away…
昔むかし、遠く遠くにある、とある銀河にて…
https://www.starwars.com/video/star-wars-episode-iv-a-new-hope-opening-crawl
この映画の世界観ではいっぱいある銀河のうちのひとつ、という感覚です。そんな不特定多数の場合は“a”です。
“a”と“the”の違い、理屈のうえでは難しくはありません。しかし理解はできても慣れないと戸惑うもの。理屈を理解したその日からすぐに使いこなせるものではありません。あとは多くの“a”と“the”に出会いを重ねながら身につけていきましょう。