【大人のやり直し英語】学習書を選ぶって難しい!ダメな教材、良い教材

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【画像】本の山


社会人が英語学習を始める時、まず最初に悩むのが学習書選びです。学生の頃は学校が教科書や副教材を選んで準備してくれていましたが、大人はまずそこから始めなければなりません。そしてこれがまた難しい。書店やネットで調べても種類が多すぎて、何を基準に選べばよいのかわからなくなります。

意外と見落とされがちですが、教材選びは思っている以上に手間と時間がかかり、しかも悩みだしたらキリがないものです。

魅力的なタイトルで選ばない

「10日間でマスター!」「聴き流すだけで身につく!」など、英語教材のタイトルは思わず手に取ってみたくなるような魅力的なものが多いです。しかしちょっと待ってください。そんなタイトルはマーケティングのキャッチコピーであり、見る人に「おっ!」と思わせることが目的です。

残念ながら簡単に英語は身につきません。「10日間で~」などといったタイトルは、まさに10日間勉強した程度の知識が増えるだけですし、「聴き流すだけで~」が本当ならとっくに学校教育で採用されています。

そんな学習書でも、しっかりとやり込めば学習効果はあるでしょう。しかし、「たった~」や「~だけで」のタイトル通りにはいきません。「楽に英語をマスターしたい」という消費者心理を上手く煽っているだけで「売れている本=良書」とは限らないのです。

ほかにも「誰でも簡単に~」「これだけで」と似たようなタイトルのハウツー本も同様です。もちろん効率的な勉強は重要ですが、それはある程度の英語力がついてからの話です。基礎力がつく前の段階はそもそも自分の勉強スタイルも確立されていません。ハウツー本を何冊も読む時間があるなら、その時間を単語やフレーズ暗記に充てた方がよほど有意義です。



著者や出版社で選ぶ

何を基準に選べばよいのかわからない人におすすめしたいのが、出版社や著者で選ぶ方法です。出版社のなかには、普段は全く英語学習関係の書籍を出していないのに、唐突に「たった~だけで」のような英語本を出版する場合があります。しかも著者も英語教育の実績がない人物だった場合は要注意です。それよりも英語学習書を多く出している出版社の方が安心です。英語教育関係で実績のある出版社の方が間違いなく良質な教材を出版しています。

また、著者を基準に教材を選ぶ場合、大きくわけて2種類の著者が存在します。まずは著者が英語講師や研究者など、英語のプロ。もう一方は、英語が苦手だった人が試行錯誤の末に独学で身につけた、実績のある素人学習者

知識や教授法は当然プロの著者の方がレベルが高いです。長年多くの生徒に英語を教えてきた経験から、当然「なるほど!さすがプロ!」と言う解説が保証されています。一方で、著書によっては超初心者の読者を想定していないような場合もあり、決して初心者向きではない学習書もあります。

一方で素人学習者の書籍の場合、ほとんどは超初心者向けです。自身が英語学習で苦労した経験がまだ新しいうちに本を書いているので、読むほうも「そうそう!わかるわかる!」と、プロ講師には書けない読者と同じ目線の解説に助けられることがあります。



どちらにせよ、有名で売れている著者が最良の選択とは限りません。残念ながら、万人に適用できる教材は存在しませんこれは英語学習に限らず読書全般に当てはまります。読書は知識のダウンロードではありません。同じ情報でも受信者の知識レベルや性格によって、残るものが全然変わってきます。ある人にとってはわかりやすい解説でも、別の人にとってはわかりにくい解説なんてよくあります。こればかりは相性があるので、根気よく自分と相性の良い著者を探しましょう。

※ちなみにこれは私の個人的な好みですが、関正生先生、大西泰斗先生、デイビッド・セイン先生の教材を多く愛用しています。学生時代にわからなかったこともわかりやすく解説してくれており、教える立場からも勉強になります。

同時に3冊以上は買わない

社会人学習者がついやってしまうことは、教材を買い過ぎることです。それはそれで気合いの表れでもあるので良いことともいえますが、買うだけで満足してしまっては元も子もありません。

必要以上に教材を買ってしまうと、勉強した気になってしまうことです。全て流し読みして理解した気になってしまう。もちろんこれは一番非効率的な勉強法です。身についたような気になっているだけで、じつは大して身についていないのが実情です。それよりも1冊を徹底的にやり込む方が確実に実力がつきます。その時、同時進行で勉強する教材は2冊まで、多くても3冊までにしておきましょう。それ以上だとつい目移りしてしまい、集中力が落ちてしまいます。

わかりやすい!おすすめの英語学習書【PR】

この記事の筆者が実際に使ってみて「これは良い!」と思った学習書をいくつか紹介します。初心者にもわかりやすく、筆者が自分の教え子に解説する時にも大いに参考になりました。

「一億人の英文法」大西泰斗,ポール・マクベイ

英文法の学習書はどうしてもマニュアルっぽいものになりがちですが、この「一億人の英文法」は、教科書通りではなくネイティブが日常会話の中でどう英文法を使いこなしているかを意識した作りになっています。そのため英文法の知識だけではなく英会話の引き出しも増やせます。読んでいても「うーん難しい」よりも「なるほど!」となる方が圧倒的に多いです。

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「決定版 英語シャドーイング」門田修平

「シャドーイングは絶大な効果のある学習法」と言われますが、初心者が独学でやるのは難しいもの。しかしこの書籍では、聴きとる以前の状態からまず何をすればよいか段階的に詳しく解説してくれます。音声でも序盤では、講師の指導で教え子がシャドーイングに挑戦するトラックもあり、臨場感があります。「シャドーイングやってみたいけどどうすればよいかわからない」という初心者に人におすすめです。

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「英文徹底解読スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学卒業式講演」畠山雄二

伝説のスピーチと呼ばれるスティーブ・ジョブズのスタンフォード大学卒業式でのスピーチが、そのまま英語教材になっています。自身の半生や、何を大切にして生きているかを語りながら、社会へと旅立つ若者たちにエールを送る内容です。このスピーチ、じつは英語自体はそんなに難しくありません。そのため初級者~中級者にとっては非常に優秀な学習教材になっています。

それでも教材探しはメンドくさい人は

「教材を選ぶのに時間かけたくない、メンドくさい」

という人は、英検の勉強をおすすめします。いや実際に受験しなくてもかまいません。英検は学生が受験するものというイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。レベルによって級に分かれているため、英語初級者にとって学習する入り口が明確です。社会人のやり直し英語学習としては、非常に優秀な教材です。学習書選びで悩むなら、英検の過去問題集をやるだけでも充分に実力がつきます。

おわりに

初心者にとって、最初の1冊目を選ぶのは難しいものです。いきなり自分に合う学習書に出会えるわけではありません。だから、その1冊で「やっぱり英語って難しい…自分には向いてないのかな」と思わないでください。教材選びも英語力のスキルのうちです。試行錯誤を繰り返すうちに、良質な学習書を見分ける嗅覚が身についてきます。



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