スピーキング：フレーズ暗記や音読は古典的だけどやっぱり効果的【社会人のやり直し英語学習】

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■何事も形から

スピーキング能力をつけるには、まずはとにかく真似ること。

いきなり英語がペラペラの自分を目標としてはいけません。ピアノやギターなどの楽器練習を考えてみてください。まずは有名な曲のコピーから始めます。いきなり作曲してオリジナルな演奏から始めるなんて一部の天才のみです。
英語も一緒で、まずはよく使われるフレーズなどを覚えるところから始めます。

日常フレーズの暗記は、古典的な学習法ですが理にかなった学習法です。「暗記するだけでは意味がない」との批判もありますが、これは学習法そのものを否定しているのではなく、暗記で終わってしまっては学習効果は薄い、という意味です。暗記したフレーズを「これはなぜこう言うんだろう？」「この部分を入れ替えたら他の場面でも使えるな」など、実践的な応用ができれば効果絶大な学習法です。もちろん、初心者のうちはそこまでの余裕はないので、最初はただの丸暗記でもＯＫです。

■シャドーイングは初心者もプロも効果あり

短いフレーズを暗記してスムーズに言えるようになったのなら、「シャドーイング」に挑戦してみましょう。シャドーイングとは、耳に入ってきた音をそのまま真似る学習法です。幼児が大人の言葉を真似るように、オウムが人間の言葉を真似るように、ただそのまま繰り返します。やることは非常に単純ですが、正しい発音や英語のリズムが身につくだけではなくリスニングの訓練にもなる、非常に学習効果の高い勉強法です。口を大きく広げて、恥ずかしがらずにネイティブになったつもりで練習しましょう。

このシャドーイング、元々はプロの通訳が行っている学習法で、ベテラン通訳者でもウォームアップでシャドーイングするくらい効果が高いものです。また、TOEICや英検などの学習にも効果的です。慣れないうちは、まず元の文章を読みながら、もしくはあらかじめ暗記してから始めるとよいでしょう。

■自己紹介のテンプレートを作る

実践英会話の場ではテンポよく会話のキャッチボールができたら気持ちよいものです。しかしそれはあくまで最終目標であり、最初はそんなにうまくいきません。なぜなら、言いたいことを頭の中ですぐに英文を組み立てることができないからです。これは当然のことですが、これができなくて悩む人が意外と多いものです。悩むことで学習のモチベーションになればよいのですが、必要以上にストレスに感じる必要はありません。

すぐに英文が出てこないなら、事前に作っておけばよいのです。もちろん全ての場面は無理ですが、例えば自己紹介はどんな場面でも必ず必要です。初対面の人と会話するたびにその場で自己紹介の言葉を考えるのではなく、自己紹介の文章をあらかじめ作っておくのです。文字に起こしていけばライティングの練習にもなりますし、スムーズに話すことができます。

「そんなことしたって、自己紹介の場面しか使えないじゃないか」と思うかもしれません。それはもちろんその通りです。しかし、日本語でも同じことが言えます。学校や会社でプレゼンする日が決まっていれば、何を話すかを準備するはずです。行き当たりばったりでその場で何を話すか考えたりしません。プレゼンも日常会話の場も同じで、話す内容がわかっていることは事前に準備しておけばよいのです。そして、その準備する作業そのものが英語力アップにつながるのです。

■何歳でも遅すぎることはない

社会人の方から「年をとった今から英語の勉強をやり直すのは難しいかな・・・」とよく聞きますが、そんなことはありません。もちろん学生時代と比べて記憶力は落ちているかもしれません。しかしそれは学習スピードが少し落ちただけで学習できなくなったわけではありません。10代の頃に比べて運動能力が落ちているのを嘆いても仕方がないのと一緒です。もっとも、それも主な原因は年齢というより運動不足です。逆に言えば３０代でも６０代でも、まだまだやればできるのです。

余談ですが、「学生時代の方が記憶力があった」と思うのは、けっこう思い出補正がかかっています。講師として中学生・高校生を教えている中でよくあることですが、１０代のみなさんも先週教えたことをビックリするくらい忘れています。個人的には、大人が思っているほど学生と社会人の学習スピードの差は大きくないように思います。

やればできる。あまり精神論を全面に出したくないのですが、人間の思い込みの力はバカにできません。「自分は若くないからなあ」などと思いながら英語の勉強を続けるよりも、「まだまだ自分はいける。現役学生にも負けないぞ」と思う方が確実に学習効果は高いです。

継続は力なり。焦らずに続けていけば確実に上達します。