「自分の英語が通じない、ショック!」その2 ⇒ ネイティブが英単語を知らないって事もある 

英語初級者の時期を脱して、それなりにネイティブとも英語で話せるようになっても、やはり自分の英語が通じない時はあります。「ああ、まだまだ修行が足りないな」と反省したりするものですが、じつは相手の理解力に問題があることも。 

我々日本人が全ての日本語を知り尽くしているとは限らないように、ネイティブも辞書みたいにすべての英単語を知っているとは限りません。 

今回は、当サイト管理人の私がアメリカ留学中に経験した2つの「英語が通じなかった事件」をお話しします。 

ケース1:アメリカにも桜が咲く 

冬が終わり、少し暖かくなってきた頃。私はアメリカ人のクラスメイトと一緒にキャンパス内の広場を歩いていました。ふと見上げると、冬には枯れていた敷地内の木に立派な桜の花が咲いていました。「おお、この木って桜の木だったんだ。アメリカで桜が見れるとは思わなかったな」と少し驚いてクラスメイトに話しかけました。 

”Look, cherry blossoms are beautiful. Spring is coming.” 
「見て、桜の花がきれいに咲いてる。春が来てるんだな。」 

すると彼は不思議そうな顔で、 

”Beautiful what?” 
「なにがきれいだって?」 

と聞き返してきます。もう一度”Cherry blossoms.”と言っても通じません。 

「あれ?俺の発音なんか違う?」と自分の発音が悪いのかと思いながら、ポケットから電子辞書を出して彼に見せました。すると、 

”Oh, it’s called cherry blossom. I didn’t know that.” 
「へえ、これって桜の花っていうんだ。知らなかった。」 

通じなかったのは私の発音のせいではなく、彼がcherry blossoms(桜の花)という言葉を知らなかったのです。 

考えてみれば、アメリカ人は日本人ほど桜が好きなわけではありません。ましてや桜の花を見て春を感じるなんて日本人の感性。 さらには男子学生なら木や花の名なんてどうでもいいでしょう。そういや日本にいた時はそもそも自分も桜とかどうでもよかったな…小さな文化の違いを感じた出来事でした。 

ケース2:フェアバンクスでオーロラを見る 

留学中の冬休み、旅行でアラスカへ行った時のことです。オーロラを見るのが目的でした。 

フェアバンクスの小さなホテルに到着して、ちょっと一休みと思いながらロビーのソファに座ってくつろいでいました。すると向かいに座っていた若いアメリカ人カップルの男性が話しかけてきました。わたしが旅行で来ていることを話すと、フェアバンクスで何がしたいのかを聞いてきたので、 

“I want to see the aurora.”
オーロラが見たくて。 

と答えると、「何が見たいって?」と聞き返してきます。何度も”the aurora.”と言っても通じず。「そんなに俺の発音通じないか!?」と少しへこんでいると、カップルの女性の方が「彼が言っているのはオーロラよ。」と助け船を出してくれました。するとこの男性、なんと自分のガールフレンドが言う”the aurora.”も理解できません。 

少しイラっとした表情を見せた彼女は、ラックにある旅行者向けパンフレットの1枚を抜き取って写真を彼に見せました。 

“Look, this is it.”
ほら、これがオーロラよ。

男性は「へえ、この光、オーロラっていうんだ」とやっと納得。この時に初めてオーロラというものを知ったようです。

オーロラ観賞の聖地と言われるフェアバンクスでまさかオーロラを知らないアメリカ人と出会うとは夢にも思いませんでした。 



常にネイティブが正しいとは限らない 

ネイティブとはいえ我々と同じ人間です。母国語の全てを知っているとは限りません。日本マニアの外国人が、我々が知らないような日本語を知っているのと同じです。「あれ?なんで通じないんだろう?」と思った時、原因は自分の英語ではないかもしれません。 



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