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筆者が中学生の時、英語の先生に
「先生、なんで主語が変わると動詞にsがつくんですか?」
と質問すると
「そういうルールだから。三単現のsとして覚えなさい。」
などと全く説明になっていない答えが返ってきました。
当時は1ミリも納得してはいなかったものの、仕方なくルールとして覚えた記憶があります。
まずは三単現って何?
まず三単現の意味を確認しましょう。
■三単現の三とは
文章の主語がわたし(I)が一人称
あなた(you)が二人称
わたしとあなた以外のすべてが三人称
この三人称の三をあらわします。
具体的にはPaul, Kenjiなど人の名前、He, She, It などの単数の代名詞です。
■三単現の単、現とは
三単現の真ん中、単とは単数を表し、現は現在形であることをあらわします。
結局、なんで s がつくの?
一言でいうと、古代英語の名残です。
現代英語から古代英語へと遡ってみると、三人称どころか主語によってそれぞれ動詞の形が変わっていました。複雑さにかけては「三単現のs」どころではなかったのです。そして時がたつにつれ段々と簡略化されて、主語によって動詞が変化することもなくなっていきました。そんな流れで、三単現にsをつける習慣が残っていった、というのが主な説のようです。三人称とはわたしとあなた以外、つまりその場にいない第3者による客観性のある文章には s という目印をつける、という考え方です。
ドイツ語やフランス語などヨーロッパの言語のなかには、主語によって動詞の形が変化するルールが今でも残っています。
例えば古い英語では、sing(歌う)は次のように変化していました。

英語が簡略化されていく中で、主語によって動詞が変化することは、徐々になくなっていきました。
しかし、ロンドンの下町言葉では動詞(現在形)にsがつく訛りがあり、そのうちの「三単現のs」だけが残った、と考えられています。
結論、「そういうルール。」
動詞にsがつくのは、昔の英語の名残であることがわかりました。しかし、だからといって三単現のsのルールへの理解度が格段に上がるわけでもありません。結局、当時の先生の
「そういうルールだから。三単現のsとして覚えなさい。」
という答えも、あながち間違ってはいないのかもしれません。