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英語の文法は(主語+動詞)が基本、「何がどうする」から始まります。英語学習の初期の段階で学ぶ文法ですが、その時に戸惑うのが「三単現のs」です。主語によって動詞にsがついたりつかなかったりの法則を知る必要があるのです。動詞変化のない日本語で育った我々としては、「動詞の意味がわかるから別にsとかいらないじゃん」などと思ってしまう、非常にメンドくさい文法です。
まずは、三単現の意味を確認しましょう。三単現の三とは、文章の主語がわたし(I)が一人称・あなた(you)が二人称・わたしとあなた以外のすべてが三人称、この三人称の三をあらわします。三単現の単とは単数、現は現在形であることをあらわします。
では、なぜ三単現の文章だと動詞にsがつくのでしょうか?
■三単現のsは古代英語の名残
現代英語から古代英語へと遡ってみると、三人称どころか主語によってそれぞれ動詞の形が変わっていました。複雑さにかけては「三単現のs」どころではなかったのです。そして時がたつにつれて、段々と簡略化されていきました。主語によって動詞が変化することもなくなっていきました。その流れで、三単現にsをつける習慣が残っていった、というのが主な説のようです。三人称とはわたしとあなた以外、つまりその場にいない第3者による客観性のある文章にはsという目印をつける、という説もあるようです。
余談ですが、ドイツ語やフランス語などヨーロッパの言語のなかには、主語によって動詞の形が変化するルールが今でも残っています。
■もう少し深堀り
古い英語では、sing(歌う)は次のように変化していました。

英語が簡略化されていく中で、主語によって動詞が変化することは、徐々になくなっていきました。
しかし、ロンドンの下町言葉では動詞(現在形)にsがつく訛りがあり、そのうちの「三単現のs」だけが残った、と考えられています。