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日本の建築物は昔から木造です。建築技術の発達した現代では鉄筋コンクリート造のマンションや高層ビルが多くありますが、木造の建物が廃れる様子はありません。一方、ヨーロッパの建物は木造ではなく石造りです。古代ローマの時代から、権力者の城だけではなく庶民の住居も石造りです。この建築文化の違いはどこからくるのでしょう?
これは気候風土の違いが大きな要因です。日本の気候は、夏は暑く湿度が高いため、建物の通気性を確保する必要がありました。石造りの建物は、耐久性はありますが隙間がなく熱や湿気が屋内で密閉されてしまうため、隙間のある木造の方が適しているのです。
一方、乾燥した気候のヨーロッパでは通気性の心配がないため石造りとなりました。木材よりも重い石だと建築時の労力も倍増です。しかしそのぶん耐久性に優れ、10年20年どころか100年単位でもあまり劣化しないので、住人の代が変わっても住み続けるのです。ヨーロッパの街並みで石造りの建物が多くみられるのはそのためです。
建築資材が豊富に採れるかどうかも要因のひとつでしょう。日本の風土では木材は簡単に手に入りますが、建物を多く建てられるほどの石材の確保は困難でした。逆にヨーロッパでは木材よりも石材の方が豊富にありました。
また、地震も関係しているともいわれています。石造りの家は、耐久性に優れますが地震には意外ともろいのです。さらに地震で建物が倒壊した場合、屋内に住人がいたらまず助かりません。もとは重い石でできた建物、瓦礫の撤去にかかる労力も大きいです。地震の頻度が多い日本では、そういった観点からも木造の方が理にかなっているのです。