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「単語が覚えられない」
「単語の暗記学習が苦痛だ…」
そんな悩みを持つ英語学習者は多いでしょう。いや多いというか、ほぼ全員ではないでしょうか。少なくとも筆者は「単語の暗記って楽ちん、楽しい♪」などという人とは会ったことがありません。
リスニングやリーディング学習の場合、レベルアップを実感したり興味あるトピックだったりすると楽しいと思える時もありますが、ただ暗記するための反復作業にはどこにも楽しい要素はありません。さらに中々覚えることができないとストレス倍増です。
ではどうすればよいか?
ここでは、単語暗記に対するマインドセットと、効率的な単語学習法を解説します。
自分で思っているほど記憶力は悪くない!
年齢的にもなかなか単語が覚えられない、と社会人のぼやきをよく聞きます。若い時はもっとすぐに覚えていた記憶があるのでしょう。しかし、そこで苦手意識を持つのは待ってください。脳は筋肉と同じで、使わなければ衰え、鍛えれば力がつきます。なかなか覚えられないのは頭が悪いのではなくて日頃の鍛錬が足りないからです。また、「アイツはすぐに覚えられるのに…」と人と比べるのはやめましょう。本来の目的は「単語を覚えること」であって「単語を人より早く覚えること」ではないのです。
余談ですが、英語講師としての筆者の経験をひとつ。
筆者は現役の中高生に受験英語を教えることもあるのですが、現役の皆さん、教えた単語をビックリするくらいすぐに忘れます。わたしの体感的には、現役学生と社会人の生徒さんの間に大きな記憶能力の差があるとは思えません。思うに、現役学生の方が早く暗記できるように感じるのは記憶力よりも、環境が要因でしょう。学生は週に2,3回ある英語の授業のなかで、同じ単語と何度も再会します。さらには宿題や小テストなど、何度も同じ単語と出会えます。そもそも文部科学省の指導要領や教師の授業計画でそのように設計されているのです。社会人より覚えが良いのは当たり前です。
大人の記憶力は自分が思っているほど衰えていません。一番の敵は「年のせいで記憶力が落ちている」と思い込んでしまう事だと心得ましょう。
1回で完璧に覚えようとしない
何歳だろうが、人間の脳はそもそも新しい情報をすぐに記憶できるようにはできていません。初対面の人の名前を覚えられない、引っ越し先の新住所が頭の中で定着するのに時間がかかる、そんなことはよくあること。ましてや英単語を覚えられないなんて当たり前です。
「一度で覚えられなくて当然」という事実を受け入れて、とにかく反復。一度で覚える努力をするよりも、その単語と再会する方が確実に効果的です。スタディサプリの講師としても知られる関正生氏の言葉を借りると、単語学習は「うろ覚えの連続」です。
効率的に覚えるには
単語を身につけるには、音源を聴いて自分でも発音してみる・書いてみると効果的に覚えることができると言われています。しかし「単語を覚えるためだけにそこまでやってらんないよ」という忙しい社会人が多いのも事実。
そんな社会人が効率的に単語を覚えるために、押さえておくべきポイントを2点、紹介します。
「英語→日本語」の順で覚える
ある言語学者の研究では、外国語を学習する際に「母国語→外国語」で覚えるよりも「外国語→母国語」の順で覚える方が早く身につくそうです。
つまり
「証拠→evidence」
と覚えるよりも
「evidence→証拠」
のルートの方が効率的です。
派生語や複数の意味は無視
単語学習書や辞書では、同義語や反意語、また文脈によって意味が変わることの解説があります。例えばorderは「注文」という意味です。
I would like to order a cup of coffee.
コーヒーを注文したいです。
のように使います。しかしこのorderには「順番」「秩序」「指示」「整頓」など多くの意味を持ちます。文脈によって使い分けますが、全て覚えるのは大変な労力ですし、単語学習の意味では効率が悪いです。
とりあえず意味は1つだけ覚えておきましょう。勉強していると、そのうちまた別の意味で出会うこともあるので覚えるのはその時で充分です。
文章をまるごと覚えるつもりで
ただ単語だけを見て意味を覚えようとしても頭に残りにくいです。例えば”opportunity”という単語を覚えようとする時、ただ意味を「機会、好機」と覚えるのではなく、例文ごと覚えましょう。
It was a wonderful opportunity to start the new business.
それは新しい事業を始めるのに絶好の機会だった。
例文を一語一句完璧に暗記する必要はありません。文の大体の意味さえ覚えていればよいのです。点より線の方が手繰り寄せやすいので、思い出す可能性はずっと高くなります。
さらには、例文を声に出して読んでみましょう。単語暗記だけでなくスピーキング練習にもなって一石二鳥です。
覚えるスピードは人それぞれ
受験勉強のクセが抜けないせいか、焦って1日でも早く1つでも多く単語を覚えようと焦る生徒さんが多いです。しかし今は受験生ではありません。繰り返しますが、本来の目的は「単語を覚えること」であって「単語を人より早く覚えること」ではないのです。「すぐに覚えられなくて当たり前」と自分のペースを受け入れてあせらず着実に身につけていきましょう。